1万5000円を超えた日本株、どうなる?
FOMCが好調な日本株に与える影響とは?
実際のところ、ここのところの日本株では、これまで急騰してきた新興市場が一服すると同時に、東証一部の主力株が大きく上昇するなど、相場全体に物色が拡がっている模様です。大手ゼネコンを含む建設株に高値更新銘柄続出し、その他金融、証券、不動産などのリスク系業種が高く、銀行株や新日鐵などの主力系も良く上昇しています。
では、6月のFOMCはどのような内容だったのでしょうか?
FRBの優しい導きにより、当面は日米共に株価上昇が続く?
6月のFOMCでは、連邦準備制度理事会(FRB)はこれまで通り、債券の購入額を月額100億ドル減らす「テーパリング」を継続しました。そして景気や金融の引き締め具合についての見通しは、(良い意味で)良い所取りとも聞こえる曖昧なものであり、株式市場にとって優しい声明内容となりました。FRBは2014年の米国GDPの成長率予想を若干下げたものの、落ち込む訳でなく緩やかな景気拡大は続くとし、一方で不安材料も依然くすぶるので、いざという時には積極的な金融緩和策を発動して下支える準備はあるとしています。
政策金利の見通しについては、利上げのタイミングを従来より若干早めた一方で、より長期的な金利見通しについては逆に低下させ、全体として超低金利時代は長引くとの見方をしています。そして異例の金融緩和が続いていることで資産価格が上昇していますが、それはまだバブルの領域ににはないという見方も示しました。
つまり、景気は拡大しているものの引き締めるまでには至っておらず、緩和的なスタンスとサポート態勢を示し、さらに一部にあるバブル懸念も払拭したわけですが、この株式市場に優しい内容でニューヨークダウは年初来高値を更新できました。FRBは景気回復を確認し、実質的にはテーパリングを進め、来年利上げという引き締めスケジュールに入っていながら、資産価格に悪影響のないよう、非常に緩やかにこの一大転換を進めようとしている模様です。
市場の不安定さを示す、ボラティリティ・インデックス(VIX指数)は長年低位を這い、直近では一段安となっており、「究極の相場安定状態」を示してます。この後、最悪のシナリオがあるとすれば、中東情勢悪化から原油高騰となり、原料価格上昇による景気への懸念からVIX急上昇という恐れが考えられます。その他では中国の不動産市況悪化のニュースもあります。しかしそれらの大きな問題が起こらなければ、当面はこのまま、日米共に株価上昇が続くのではないかと思います。
参考:日本株通信
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