ECBの利下げ&マイナス金利導入と米国の雇用状況改善
大きな悪いニュースが起こらなければ株価上昇は更に続きそうな見通し
次に、米国の経済指標が第1四半期の暗闇を抜け、第2四半期から改善しています。2014年4月の米国雇用統計は28万8千人の増加と、2年間における最良の結果となり、失業率も大きく減って6.3%にまで低下しました。次いで5月の雇用統計も市場予想の21万5000人の増加を上廻り21万7000人で着地し、2000年1月以来となる“4ヶ月連続の20万超え”を達成しました。失業率も6.3%を継続しています。トータルの米国雇用者総数はこれで1億3,846万人(農業従事者を除く)となり、ようやく金融危機前につけた過去最高を突破しました。前回最後の雇用増となったのは2008年1月で、この時まで総数ベースでの増加が続いたのです。その後、2008~2009年の2年間で約850万人の雇用が失われ、それから4年半かけてその減少分を埋め直したという具合です。リセッション後にこれだけ長く雇用回復に時間が掛かったのは、戦前の大恐慌以来の事となります。いずれにせよこれから数年かけて総数ベースの雇用者は過去最高をどんどん更新して行くことになりそうです。
また、ISM製造業景況感指数も2014年3月の53.7、4月の54.9、5月の55.4と2014年1月の51.3から尻上がりに推移。株価と連動性の強い非製造業景況感指数も2014年2月の51.6を底に3月が53.1、4月が55.2、5月が56.3と尻上がりに推移しています。
いずれにしても、5月下旬からの一連の経済状況は2013年11月の状況に非常に似ていると思います。前回は2ヶ月ほど株価上昇が続き、上昇相場が終わったのは中国の景気悪化と株価下落、そしてアルゼンチンが下落する自国通貨を買い支えられないことを発表したことに端を発する新興国通貨危機です。ちなみに今回も中国の不動産市況の悪化などのニュースが伝えられています。ただ、それらが欧米の株式市場に大きな影響を与えるほど大きく悪化しなければ、現在の株価上昇はもう少し続くことになりそうです。
参考:日本株通信
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