株・株式投資/日経平均株価の動向を専門家がチェック

1万5000円超えの日経平均、どこまで上がるのか!?(2ページ目)

5月下旬から「SELL IN MAY」をものともせず、高騰を続けている日本株。しかしこの日本株の上昇は海外市況を考えればごく自然な成り行きに思えます。この視点から、今後日本株がどうなるかを予測します。

戸松 信博

執筆者:戸松 信博

外国株・中国株ガイド

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ECBの利下げ&マイナス金利導入と米国の雇用状況改善

大きな悪いニュースが起こらなければ株価上昇は更に続きそうな見通し

大きな悪いニュースが起こらなければ株価上昇は更に続きそうな見通し

では、現在の状況はどうでしょう。まず、2014年6月12日には欧州中央銀行(ECB)が追加金融緩和を発表しました。具体的には政策金利を0.25%から0.15%に、また、マイナス金利導入を決定。この目的はデフレ圧力(現在の域内インフレ率僅か0.5%)を和らげ、銀行の貸し出しを促し、ユーロ安に導くことにあります。銀行は余剰資金を中央銀に預ければ金利を没収されるのですから、海外に資金を移すはずであり、これは「ユーロを売って外貨を買う」のでユーロ安に繋がります。

次に、米国の経済指標が第1四半期の暗闇を抜け、第2四半期から改善しています。2014年4月の米国雇用統計は28万8千人の増加と、2年間における最良の結果となり、失業率も大きく減って6.3%にまで低下しました。次いで5月の雇用統計も市場予想の21万5000人の増加を上廻り21万7000人で着地し、2000年1月以来となる“4ヶ月連続の20万超え”を達成しました。失業率も6.3%を継続しています。トータルの米国雇用者総数はこれで1億3,846万人(農業従事者を除く)となり、ようやく金融危機前につけた過去最高を突破しました。前回最後の雇用増となったのは2008年1月で、この時まで総数ベースでの増加が続いたのです。その後、2008~2009年の2年間で約850万人の雇用が失われ、それから4年半かけてその減少分を埋め直したという具合です。リセッション後にこれだけ長く雇用回復に時間が掛かったのは、戦前の大恐慌以来の事となります。いずれにせよこれから数年かけて総数ベースの雇用者は過去最高をどんどん更新して行くことになりそうです。

また、ISM製造業景況感指数も2014年3月の53.7、4月の54.9、5月の55.4と2014年1月の51.3から尻上がりに推移。株価と連動性の強い非製造業景況感指数も2014年2月の51.6を底に3月が53.1、4月が55.2、5月が56.3と尻上がりに推移しています。

いずれにしても、5月下旬からの一連の経済状況は2013年11月の状況に非常に似ていると思います。前回は2ヶ月ほど株価上昇が続き、上昇相場が終わったのは中国の景気悪化と株価下落、そしてアルゼンチンが下落する自国通貨を買い支えられないことを発表したことに端を発する新興国通貨危機です。ちなみに今回も中国の不動産市況の悪化などのニュースが伝えられています。ただ、それらが欧米の株式市場に大きな影響を与えるほど大きく悪化しなければ、現在の株価上昇はもう少し続くことになりそうです。

参考:日本株通信

※記載されている情報は、正確かつ信頼しうると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性または完全性を保証したものではありません。予告無く変更される場合があります。また、投資はリスクを伴います。投資に関する最終判断は、御自身の責任でお願い申し上げます。

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