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給食が少ない…中学生が必要な1食分のカロリーって?

大阪市の公立中学校における給食問題。これは家庭の格差是正を行うべく給食実施に切り替える方針はよかったものの、大阪市の財政難があだとなって引き起こした問題になります。今回はその背景に迫るとともに、そもそも中学生の給食においてどのぐらいのカロリーが必要なのか文部科学省の示す基準から解説したいと思います。

伊藤 亮太

執筆者:伊藤 亮太

株式・ファイナンシャルプランナーガイド

大阪は弁当持参が当たり前だった!?

学校給食

必要なカロリーは1食820キロカロリー

大阪市内の公立中学校における「給食問題」は皆さん記憶に新しいところでしょう。なぜ今さら給食問題が取り上げられているのか?と疑問に思われている方もいらっしゃるかもしれません。

今回はこの大阪の給食問題を取り上げ、大阪市の台所事情と実際に中学生が必要なカロリー数などを主に解説したいと思います。
まず、なぜ今大阪では給食問題がピックアップされたかといえば、2014年度から大阪市内の公立中学校にて給食が実施されるようになったからといえます。

「今頃給食になったの?」と思われるかもしれません。筆者も中学校では給食が当たり前なのかと思っていました。ところが全国を見渡してみると、そうでもないのです。文部科学省「学校給食状況等調査(平成24年度結果の概要)」によれば、国公私立の中学校で完全給食の実施を行っている割合は78.1%。私立も含めているため、給食実施をしている割合は低く出ているとはいえますが、公立であっても給食が実施されていないところもありそうです。

ちなみに、大阪市では2008年時点で市立中学校のすべてで給食が未実施で、弁当持参が基本だったとのこと(その後も完全給食実施率は全国最下位)。弁当だと当然ながら家庭によって中身は異なることに。一部では弁当を持参しないといった状況もあり、家庭の事情を反映して、差をなくすために給食が実施されるにいたったとの経緯があります。

財政難から給食センターを建設するのは難しい

こうした経緯があるため、大阪市においては給食を実施するとなるとそもそも給食センターを建設する必要が出てきます。しかしながらどうでしょうか。大阪市は実は全国で見ても財政状況が厳しい自治体といえ、とてもではありませんが給食センターを一から建設することは難しいといえます。

給食センターを自前で設置して給食が提供できるのであれば、給食問題など発生しなかったわけですが、大阪市全体で考えると120億円もの費用がかかるとのことで断念せざるをえなかったのでしょう。ちなみに、実際の給食は仕出し弁当となっているわけですが、仕出し弁当であればコストは30億円ほどで済んでいるようです。

コストを考慮すれば、仕出し弁当による供給は致し方なかったといえます。

実は学校給食のカロリーは減ってきている

給食問題で取り上げられたのは「カロリー」でした。仕出し弁当ではおかわりができないから満足できないといった声も聞かれました。

一体何キロカロリーだったのでしょうか。各種報道によれば、2014年5月2日の大阪市の公立中学校の給食メニューのカロリーは787キロカロリーとのこと。これは文部科学省が公表する12歳~14歳の「生徒一人一回当たりの学校給食摂取基準」である820キロカロリーと比べればやや少なめです。この基準は全国平均であり、男女の人数差によっても多少異なってくる値とは言えますが、育ち盛りの中学生には全国平均を下回る給食では満足いかないかもしれません。特に、部活動に励む学生さんの場合には、少ないと感じ、部活動などにも支障がでる可能性があります。

実はこの学校給食のカロリー、全国で見ても減ってきているのです。2013年4月になってから、全国の小中学校の給食において1食につき20~30キロカロリー減っています。特に、中学生においては30キロカロリー削減されており、これはご飯で換算すると子ども用お茶碗1杯の8分の1に相当するエネルギー量になります(それまでは850キロカロリーが基準でした)。

こうしたこともあり、親の世代から見れば、実際の給食をみて少ないと感じられるかもしれません。ただ、これには時代に合わせた配慮がなされていること(生活習慣病対策など)、家庭環境の変化を踏まえて必要な栄養素も見直され給食に考慮されてきていることは知っておいた方がよいでしょう。給食も時代の変化への対応が求められてきているようです。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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