あばれ祭(あばれまつり)(石川県能登町宇出津)
江戸時代、疫病が大流行したとき、京都の祇園社(八坂神社)から牛頭(ごず)天王を迎えて疫病退散の祭りを開いたことが始まりとされています。2日間のおおまかなスケジュールは、
1日目
14時頃~ キリコ町内巡回
18時頃~ 棚木海岸にキリコ集結
20時頃~21時頃 花火打ち上げ
21時頃~23時頃 キリコ松明のまわりで乱舞(能登町役場前)
2日目
14時頃~ キリコ町内巡回
17:30頃 神輿を海に放り込む(卸売市場波止場前)
続いて 神輿を火に放り込む(ほぼ同場所)
21時頃~ 神輿町内を巡行し、暴れ回る
22時頃~25時頃 神輿が川へ入水(八坂神社近くの川)
23時頃~26時頃 神輿奉納。八坂神社に神輿が入り、炎に投げ込まれる
ただしこれは大まかな予定であり、1~2時間ほど遅れることはよくあるので、前後に帰宅や移動などの予定を入れる場合はご注意ください。この祭りの見逃せないポイントは2つあります。まずは1日目、高さ7m余りの「キリコ」が約40数基、松明の周囲を火の粉をあびながら暴れ回ること。2日目の見どころは、神輿を海や川に投げ込んだり燃え盛る炎の中に放り込んだりして派手に暴れ、神霊が鎮まるのを待つところです。
1日目は、花火の打ち上げを見ながら、棚木海岸に集結したキリコが能登町役場前へと移動し、そこで松明の火の粉が降りしきるなかでキリコが勇壮に乱舞するさまをしっかりと拝みましょう(写真1枚目参照)。
2日目は、夕方に、能登町漁業水産協同組合地方卸売市場の波止場にて神輿を海に投げ入れるところ。担ぎ手も海に飛び込み、泳ぎながら神輿をかついだり、神輿を沈めたりします。その後神輿を引き上げ、その近くで神輿を火に投げ入れます。
その後21頃から神輿が町内を暴れまわり、川の中に神輿を投げ入れるところが、この祭り最大の山場です(写真2枚目参照)。
見物客にも火の粉が飛んできたり、水しぶきを浴びることもよくあるので、服装とカメラ、携帯電話、電子機器の防水防火対策をお忘れなく。また、この時期は夕方から夜にかけて意外と冷えることがあるので、一枚羽織る上着も持参しておきたいです。観光客にとってこの祭り最大のハードルは、宿と交通の確保が難しいことにあります。
祭りから徒歩圏内の宿は、祭りの準備に忙しくて宿泊を受け入れないところが多く、受け入れる宿でも1年前には満室になるといいます。1日目の祭りには、和倉温泉から宿泊者専用の祭り見物バスが用意されています(所要時間は片道1時間半)。時刻やバスの予約などは、宿泊する旅館にお問い合わせください。2日目の祭りは、終わるのが深夜2時~3時頃になることから、体力があれば宿を確保するよりも、夜通し祭りを見物して始発のバスで帰るほうがいいかもしれません。
あばれ祭り見物ツアーを利用する場合、見どころを見る前に帰るはめにならないかを確認しておきたいところです。祭りの大まかなタイムテーブルは上記にあるので、申し込み前に必ず、ツアーの旅程とつきあわせてチェックしましょう。穴水駅からの路線バスは日に数便、JR金沢からのバスは日に2便です。最新の時刻を調べておきましょう。「宇出津 バス」で検索するとヒットします。能登空港からの乗り合いタクシーは前日までに予約が必要です。
自家用車やレンタカーの場合、現地に駐車場はありますが、夕方になると満杯になったり、周辺の交通規制がかかることなどから、早めに現地入りしておきたいところです。
■あばれ祭
開催期日:毎年7月第1金~土曜日(2014年は7月4~5日)
会場:八坂神社と宇出津地区各所
アクセス:のと鉄道穴水駅下車→バス乗換約60分 宇出津駅前下車
(JR金沢駅からもバス便あり/能登空港から予約制乗合タクシーあり)
電話:0768-62-8532 (能登町ふるさと振興課)
写真提供:石川県観光連盟