子供がやる気になる声のかけ方がある
2才くらいの自我の成長期、- ママが洗濯物をたたんでいると、「○○ちゃんもやりた~い!」
- ママがボタンをはめてあげようとすると、「自分でやるの!」
でもその時期を過ぎると、洗濯物には見向きもしない、お着替えも面倒くさい、という時期がやってくることがあります。子供は「ちょっとチャレンジ」が大好きなので、すっかりできるようになると興味が薄れてしまうのです。
でもそんな時でも、ママの声のかけ方を工夫することで、子供のやる気をアップさせることができます。この記事では、ママが子供にお手伝いを頼んだとき、子供が進んで行動したくなる秘訣について、最近のアメリカの大学の研究結果を交えながらお伝えします。
子供がお手伝いをしたくなる言い回しとは?
アメリカの大学で、3~6才の子のお手伝い度をアップする秘訣を見出すため、ある実験を行いました。この実験で注目したのは「言い回し」。ママの声のかけ方を微妙に変えることで、子供達のお手伝いの頻度にどれくらい変化が起こるかをモニターしました。この実験に参加したのは、3~6才の149人の子供達。
- まずはじめに、子供達それぞれの実験前のお手伝い度を測りました(実験後の変化との比較のため)
- 次に、子供達を2つのグループに分け、それぞれに「お手伝い」の意義について説明をしました。
⇒ グループBには、「『手伝う』とは『ヘルプ役』になることだ」と説明。
(両者の微妙な違いは、手伝うという行為を「動詞」として捉えるか、「名詞」として捉えるかの違いにあります。グループAはごく一般的な言い回しですが、グループBは「助っ人」「お手伝い係」「お助けマン」のように、手伝うという行為を名詞化し、人格として捉える表現を用いました)
- その後、子供達はおもちゃ遊びを開始。しばらくして、夢中で遊んでいる最中の子供達に、実験者達は次のような4つのお願いをしました。
- 散らかったものを拾う
- 箱を開ける
- おもちゃを片づける
- クレヨンを拾う
どのケースにおいても、子供達は指示された手伝いをするのであれば、いったん遊びの手を止めなくてはいけません。では、子供達は、遊びの手を止めて、大人の手伝いをすることができたのでしょうか? グループAとグループBの微妙な言い回しの差が違う結果をもたらしたのでしょうか?
>>次ページで、その結果についてお伝えします。
出典:Child Development (2014) 「Helping' Versus 'Being a Helper': Invoking the Self to Increase Helping in Young Children」