そこで、6月に行われる全国各地の祭りを、お祭り評論家山本哲也が独断で選びました。今回は、そのなかから3つ、開催日順に、佐賀県で行われる呼子大綱引き、岩手県で行われるチャグチャグ馬コ、そして大阪府で行われる愛染祭をご紹介します。
呼子大綱引き(よぶこおおつなひき)【佐賀県唐津市】
豊臣秀吉が朝鮮出兵中、加藤清正と福島正則の士気を鼓舞するため、陣営を東西に分け、軍船のとも綱の曳き合いをさせたことが起源とされている、約400年の歴史と伝統があるとされている行事です。もとは旧暦端午の節句に行われていましたが、現在では6月の第1土曜日に「子ども綱」、翌日曜日に「大人綱」が行われます。
火矢(ひや)と銅鑼(どら)を合図に曳き始め、勝負開始。3本勝負で、先に2本先取の組が勝利。サキカタ(浜組)が勝てば豊漁、ウラカタ(岡組)が勝てば豊作となるといわれています。
大綱は直径15cm、長さ400mもある太くて長いもの。その綱の中心部に結ばれた、ワラとカマスを束ねて作った、長さ約5m、幅約1.5m、高さ約1.5mの大きさの「ミト」を奪います。この「ミト」の争奪戦がとても激しくヒートアップし、この祭り最大の見どころとなっています。
この祭りは、街の住民でない人でも観光客でも、誰でも飛び入りで曳き手として参加できます。中心部の、半纏組が多くいる場所は争奪戦が激しく危険なので、初めての人であれば私服(観光客)の多いところで様子を見ながら綱を持ち、曳き合うといいでしょう。
周りから盛んに「力水(ちからみず)」が掛けられ、曳き手はずぶ濡れになるかもしれないので、濡れても汚れてもいい服装でトライしましょう。靴や下着の替えも忘れずに。また、撮影をする人は、防水カメラか、レインジャケットが必須アイテムです。
■呼子大綱引き
開催期日:毎年6月第1土曜~日曜日(2014年は6月7日~8日)
会場:呼子大綱引通り(朝市通りと同じ道)
アクセス:JR唐津線 唐津駅下車 バス乗換約30分 呼子バス停下車
電話:0955-53-7165 (唐津市呼子支所産業課)
写真提供:唐津市