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楽天・星野監督の難病による離脱で、チームは一丸に

楽天の星野仙一監督が、難病の“胸椎の黄色靱帯骨化症”と診断された。手術を受けることが濃厚で、そうなれば長期離脱は必至。しかし、監督は現場復帰に強い意欲を示す。それに応えるようにチームもひとつになりつつある。

瀬戸口 仁

執筆者:瀬戸口 仁

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手術をすれば、最低でも1カ月以上の離脱に

難病により休養を余儀なくされた星野監督。当面は佐藤義則投手コーチが監督代行を務める。

難病により休養を余儀なくされた星野監督。当面は佐藤義則投手コーチが監督代行を務める。

楽天は5月28日、持病の腰痛を悪化させ、26日のヤクルト戦(神宮)から休養している星野仙一監督(67)が“腰椎の椎間板ヘルニア”と厚生労働省が難病と指定する“胸椎の黄色靱帯骨化症”と診断されたと発表した。星野監督は手術を受けることが濃厚で、そうなれば長期離脱は必至。当面は佐藤義則投手コーチ(59)が監督代行を務める。

星野監督は休養発表から一夜明けた27日、都内の宿舎で会見し「歯の痛みがあるだろう。あれが太い感じ。俺は痛みには強い。でも、ケガの痛みならいいが、神経の痛みはな。足首までしびれる」と苦しみの一端を明かした。

重症だ。持病の腰痛の悪化原因が、腰椎の椎間板ヘルニアだけでなく、難病といわれる胸椎の黄色靭帯骨化症の発症でもあったからだ。これは、脊髄の後ろに椎弓と呼ばれる部分を上下につないでいる黄色靭帯が骨化して脊柱管内の脊髄を圧迫するもので、下肢の脱力やしびれが起き、悪化すると両下肢マヒをきたすこともある。球界では、オリックス・酒井勉(現楽天2軍チーフ投手コーチ)が1993年、オリックスの宮本大輔が2006年に発症。現役では巨人・越智が2012年、ソフトバンク・大隣が2013年に発症、手術を受けている。原因は不明だが、いずれも投手ということを考えれば、星野監督も投手出身というところに何かの関連性があるのかもしれない。

星野監督は阪神監督時代の2002年開幕戦で不整脈によりベンチ裏で応急処置を受け、2003年7月27日の中日戦では血圧が165まで上がり、嘔吐したことがある。また、今回のヘルニアも複数個所で発症しており、とにかく監督業という激務に耐えてきたことは間違いない。

手術をすれば、最低でも1カ月以上の離脱は避けられない。それでも星野監督は、三木谷オーナー、立花球団社長から「どれだけ負けが込んでも絶対復帰して下さい」と言葉をかけられたことを明かした上で、「去年、あれだけの思い(球団初の日本一)をさせてくれた2人に言われた。俺は絶対復帰するつもり、復帰してやる。見とけ」と自らを奮い立たせ、現場復帰に強い意欲を示した。

これに対して、嶋選手会長は「監督がいつ戻って来るかわからないけど、戻って来る頃には、いい位置にいられるようにしたい。チームが一つになるいい機会だと思う」と言い切った。28日の巨人戦では東京ドーム三塁側の楽天ベンチに、星野監督がいつも座るシートの上に背番号“77”のユニホームが掛けられた。その試合、嶋が先制打を放ち、則本が2試合連続完封をマークし、4対0と快勝。昨年の日本一に比べ、今季は低迷している楽天は、指揮官が復帰するまで恥ずかしい試合を見せられない。
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