表計算ソフトをゼロから見直すとこうなる!?「Numbers '09」
表計算ソフトといえば、格子状のマス目に数字を並べて合計したり、自動的に平均値を出したりするのが主な目的で、文章の入力やレイアウトにこだわる場合はワープロと組み合わせて使うのが一般的です。「iWork '09」の表計算担当「Numbers '09(ナンバーズ オーナイン)」はそんな考え方を覆すアプリケーション。“1シートあたり1つの表”という従来の表計算ソフトの常識を打ち破り、1つのシートに複数の表を貼り付けることができます。
もちろん、表計算ソフトですから表からのグラフを生成もばっちり可能ですし、それぞれの表に「ヘッダフッタ」という考え方があるため、表がページをまたいでも自動的にラベルがそれぞれの表で表示されるなど、レイアウトに関する難しいことはほとんど考える必要がありません。
とにかくあらゆる操作が新鮮で楽しい「Numbers '09」は、かなりおすすめの表計算ソフトです。ただし独特な表計算ソフトですので、基本的な操作でもマニュアルをよく見ないとわからないことがあります。主な操作のポイントを以下にまとめてみましたので参考にしてください。
●主な操作のポイント
- セルを編集状態にするにはOptionキーを押しながらリターンキーを押す
- セル内改行はセル編集状態でOptionキーを押しながらリターンキーを押す
- セルを複製する場合はセルの右下をドラッグ。連続した数値ならその間隔で増減された値が作成されます
- ピポットテーブルのように値が同じセルごとに絞り込んで集計したい場合は「カテゴリ機能」を使ってみよう。使い方は同じ値でグループ分けしたい列の列タイトルをクリックして「この列でカテゴライズ」を実行します。次々実行していくことで、より複雑な条件になっていきます
- ページにまたがる表で同じヘッダを使いたい場合は「ヘッダ行」または「ヘッダ列」を使おう!ヘッダを常に表示するには「表 - ヘッダ行をフリーズ」または「表 - ヘッダ例をフリーズ」をオンにします
【Officeと比べてここがGood】
- 自由にレイアウトできる表が気持ちいい:
表計算ソフトを使う上で同一シート上で複数の表を実現するためには、列の幅や行の間隔、枠の描画など、ワープロで表を作るより手間がかかっていましたが、Numbersならそんなストレスから解放されます。 - 美しいグラフ:
何もいうことはありません。半透明や3Dなど、今まで見たことないような美しいグラフを「iWork '09」に含まれるすべてのアプリケーションで作成できます。
【Officeと比べてここがBad】
- マクロ記録がないので気軽にマクロを作れない:
「iWork '09」に含まれるアプリケーションはAppleScriptによりある程度の制御は可能ですが、マクロ記録には対応しておらず、肝心のコマンドの種類でもグラフ作成のコマンドがないなど制限も多いため、使いこなすのは難しいでしょう。 - リストの作成が面倒:
セルの種類で「ポップアップメニュー」というのが使えますが、リストを簡単に入力する方法がないためあまり使い勝手がよくありません。 - ゴールシーク、ワークシート分析などのシミュレーション系の機能はない:
ローン計画の計算などで、月々支払い可能な額から借り入れ可能な上限を出すなどのゴールシークなどの機能はありません。 - 参照セルが多いグラフの操作が重い:
Numbersも他のアプリケーションと比べると動作が重い部分が目立ちます。