同様のソフトにMicrosoft Officeがあります。どちらを使おうかお悩みの方もいるかもしれません。iWork '09はOfficeとはひと味違ったソフトなのですが、iWork '09のそれぞれのアプリケーションが、Officeと比べてどういう場合に便利でどういう場合に不便なのかを紹介します。
気持ちいいくらいにレイアウトが決まる「Pages '09」
「iWork '09」のワープロ担当は「Pages '09(ページーズ オーナイン)」です。起動するとテンプレートの選択画面になりますが、そこからいきなりワンダーランドという感じ。まるでファッション雑誌のレイアウトよろしくおしゃれで印象的なテンプレートが並んでいます。最初のうちは、気に入ったテンプレートを参考に、画像の配置やレイアウトの作り方をマスターしましょう。
操作性について「Pages '09」はMac OS Xの機能をフルに使っていますので、あらゆる操作が従来のワープロソフトとはひと味違います。
たとえばマウスで画像をドラッグすると同時にテキストの配置がリアルタイムで変更される機能。結果がリアルタイムに変化しますから、図形と文字列の切れ目などを微調整しやすく、位置関係を示すガイド表示と合わせてとても簡単にベストポジションが決められます。
画像の回転方法もユニークで、commandキーを押しながら角をドラッグすれば、コマンドを呼び出すこと無く画像を回転できます。こういったキーを組み合わせた操作はヘルプをよく読まないとわからないですが、マスターしてしまえばメニューから機能を切り替えて編集するよりもはるかに効果的に作業できます。
iWorkのアプリケーションすべてで、同じ操作方法によりあらゆる図形が回転できます
「Pages '09」の画面はとてもシンプルですが、グラフィックに関してもユニークな機能を満載。ワンクリックで半透明やドロップシャドウなどの効果を追加することも可能ですし、図形で切り抜くような操作も自由に行えます。
【Officeと比べてここがGood】
- 操作を手助けするガイド表示:
ガイド表示やリアルタイムの結果表示により、貼付けた画像の大きさや位置が決めやすい。 - 使いやすい段落スタイル:
最初から用意された段落スタイルにより文字入力と同時に段落スタイルを調整するというスタイルで文書入力ができます。最初は戸惑いますが、慣れればテキストを入力して後からレイアウトを考えるより、ずっと効率よく作業ができるようになります。 - 表計算が可能な罫線枠:
「Pages '09」の「表」機能では表計算ソフト並みの関数が使え、隣接するセルの合計を出したり、平均値を求めたりする作業が簡単にできます。ただし、表からグラフを作成することはできません。
(コピー&ペーストでデータを反映させることはできます)
【Officeと比べてここがBad】
- 縦組に非対応:
Macに付属のヒラギノフォントは縦組の文字デザインも含みますが、「Pages '09」上で使うには、文字を一つ一つ並べて“タイポグラフィ”利用するにはプログラム側から呼び出してもらわないといけません。 - 全体的な動作パフォーマンスは遅め:
同じ環境下でMicrosoft Word 2008と比べても「Pages '09」上での文字入力作業はワンテンポ送れる感じ。文書のデータ量が大きくなると編集時の動作も重くなり、旧式のMacではかなりストレスがたまります