原付2種クラスも最先端の技術を 新型PCX【第3世代】

3代目PCX

3代目PCX

2010年に発売され、2012年にはまさかのエンジンの変更、そして2014年にPCXはフルモデルチェンジを遂げ、めまぐるしく進化を続けるPCX。原付2種クラスの車両ながら、最先端の技術を身にまとい業界関係者の熱い視線を集め続けています。

2010年に発売された初代PCXは圧倒的な走行性能、環境性能、スタイリングなど、ユーザーに大きなインパクトを与えました。さらに2012年にはエンジンをeSPエンジンに変更し、走行性能、環境性能ともに更なる磨きをかけてきました。

メーカーホームページや雑誌などに掲載されているスペック以上に、乗る度に感動を与えてくれたPCX。3代目となった新型PCXは果たしてどのような感動を与えてくれるのか? 1週間通勤で試乗しインプレッションをお届けします。

PCXのエンジンは進化ではなく熟成された

新しい型式はEBJ-JF56

新しい型式はEBJ-JF56


東京・青山のウエルカムプラザでPCXを受け取り、事務所への帰路を走り出します。エンジンをかけると静粛性に優れたeSPエンジンとマフラーのサウンドが鳴り響きます。eSPエンジンが搭載された2代目PCXに乗った時には、フラットにどこまでも加速していくかのような加速感に感動したものですが、3代目PCXもこの加速感は変わりません。

正直に言えば、青山のウエルカムプラザから江戸川区葛西の事務所までの走行中には変わった点はあまり顕著にはわかりませんでした。2代目PCXに試乗した時に比べて、感動という点では薄かったように思います。

しかし、よく考えてみればPCXは2年前にエンジンをガラリと新型に変更しているのです。しかもそのエンジンは動力性能に優れ、乗れば感動するほどでした。今回も同じeSPエンジンを搭載しているわけですから、そうそう大幅に変わるわけがありません。

走る場所は変わり、今度は東京・江戸川区の事務所から神奈川県・川崎市の自宅への道のり。時間は20時頃。車の台数も減り、青山から事務所への道と比べると、制限時速60km/hの幅の広い道が続きます。ここである事に気がつきました。

「あれ? 谷がなくなっている」。2台目PCXには60km/h付近で加速の“谷”がありました。ただし、谷があると言っても、乗り続けて気がつくレベルのことであり、人によっては恐らく気がつかないこともあると思います。この加速の谷が3代目PCXではなくなっています。

さらに乗り続けていると、以前に比べると振動が低減されているような気がしてきます。改めて広報の発表資料を見てみると、エンジンは細部を見直し、フリクションの低減を図っているとあります。

エンジンは劇的な変化を遂げているわけではありませんが、2代目PCXに乗ったことがある人であれば、乗り続けているうちに熟成された3代目PCXのエンジンの変化に気がつくはずです。

PCXの装備は熟成され、豪華にリニューアル

灯火類が全てLED

灯火類が全てLED


3代目PCXを語る上で最も大きな変化は、全ての灯火類がLED化されたことがあげられます。特にヘッドライトのLED化は、国内4メーカーの中ではホンダがはじめて実用化しました。最近はアフターパーツメーカーがちらほらLEDヘッドライトを販売していますが、メーカーが採用するとは驚きです。

しかしLEDの光というのは直進性が強く、あまり広がらないという特性があります。ヘッドライトはある程度前方を広域に照らさなければなりません。はたして大丈夫なのかな? と思っていたのですが、想像以上に広い範囲を明るく照らします。

色はバルブの光と比べると白っぽく、特定は出来ませんが、感覚的には色温度は6000ケルビンくらいではないかと思います。正面から見ると、LEDのバルブが装着されているところは見えませんが、レンズのカットでうまく照射範囲を広げているようです。

また、以前にPCX150の広報車を借りた際、自宅に帰る途中にアイドリングストップ作動中にバッテリーが上がってしまうというトラブルがあったのですが、3代目PCXよりバッテリーの電圧をCPUが監視し、電圧が一定以下の時にはアイドリングストップ機能が自動的にオフになる機能が追加されました。

そのほか、シートを開けた際に途中の位置で固定できるストッパー機能が搭載されたり、リアキャリアを取りつける際に2代目PCXまではカウルに穴空け加工が必要でしたが、3代目PCXからそれが不要となりました。

燃料タンク容量が増加したことでPCXはツーリングにも最適!

LEDヘッドライトを採用

LEDヘッドライトを採用


PCXの加速時の谷の事は以前から一部のユーザーに指摘されていました。また、シートを開けた際に勝手に閉まってしまうという声も上がっていました。今回のモデルチェンジでPCXは細部にわたって仕様変更が行われていますが、「ユーザーの声をよく聞いているな」と感心してしまうほど、かゆいところに手が届くモデルチェンジとなっています。

3代目PCXの税抜き本体価格は30万5000円。2代目は29万9250円。モデルチェンジ後、確かに多少値上がりしていますが、灯火類のLED化など、豪華装備が追加されているため、よくたったこれだけの値上げでこんなに豪華な装備を追加できたな、と感心してしまいます。

消費税増税直後となった3代目PCXの発売開始。メーカーが苦しい増税後のユーザーの懐事情を考慮して値上げ幅を最小にしてくれたのかもしれません。

また個人的に大いに歓迎したいのが燃料タンク容量の増加です。PCXのモデルチェンジで従来モデルの5.9Lから8.0Lに増加しました。たったの2.1Lと侮ること無かれ! PCXのカタログスペック上の燃費は53.7km/L。私がストップ&ゴー多い都内で使った時でも40km/L以下になる事がなく非常に優秀です。

PCXは排気量の関係上で高速道路に乗ることは出来ませんが、一度給油してしまえば、300km以上走行できる性能は充分にツーリングに耐えることができます。タンク容量が小さくツーリングに行くとなると、こまめな給油が必要になると考えられがちな原付2種カテゴリですが、PCXは別格です。

またPCXは原付2種クラスの中でも車体の大きさが大きく、タイヤも前後14インチタイヤを採用している為、直進安定性にも優れています。

ビッグバイクに乗って高速道路を走っていくツーリングも楽しいものですが、小回りの効くPCXで下道ツーリングもオススメできます。

ライバルはヤマハのNMAX!

ヤマハundefinedNMAX

ヤマハ NMAX


ホンダ原付2種のフラッグシップがPCXならヤマハ原付2種のフラッグシップはNMAXという車両が存在します。

どちらもメーカーが威信をかけた新型エンジンを搭載していたり、LEDヘッドライトなど最新装備が採用されている点も共通点です。

NMAXの詳細はインプレッションを書いているのでそちらを参考にしてみてください。

PCX関連リンク

■PCXのエンジン音 マフラー音はこちらでご確認下さい
■ライバル NMAXの試乗インプレッションはこちら
■同じeSPエンジンを搭載し実用性も高いリード125

PCXをツーリング仕様にカスタムするなら

前モデルのPCXはリアキャリアを装着する際にテールカウルの一部に穴あけ加工が必要でしたが、今回のモデルより穴あけ加工が不要になり取り付けが簡単になりました。ツーリング先でお土産を買ったりする際にもリアキャリアが装着されている便利です。リアボックスとセットで装着しましょう。

三代目PCXはフロント周りのデザインはあまり変わっていないように見えますが、ウインドスクリーンの装着方法が変わっているために前のモデル用のスクリーンは装着できません。PCX用ボディーマウントシールドは大型でツーリング時には疲労を軽減します。

携帯をナビ代わりにするのにハンドルにスマートフォンホルダーは必須!PCXは原付2種では珍しくバーハンドルを採用しているため、バーハンドルに装着するタイプのスマートフォンホルダーを選びましょう。ツーリング時には必須のアイテムです。



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