3位決定戦は世界一豪華な消化試合
ブラジルW杯で支払われる賞金の最高額は、日本円でなんと35億円!
上位進出を果たした国は、成績に応じた配当金がさらに高額となる。
グループステージ突破で900万ドル(約9億円)、ベスト8で1400万ドル(約14億円)、ベスト4で2000万ドル(約20億円)、3位で2200万(約22億円)ドルだ。3位決定戦は注目度が下がりがちだが、勝者と敗者では200万ドル(約2億円)の賞金の違いが生まれる。”世界一豪華な消化試合”と言っていいかもしれない。
優勝と準優勝でも、賞金には大きな開きがある。
世界チャンピオンとなった国が手にするのは、何と3500万ドル(約35億円)だ。一方の準優勝は、2500万ドル(約25億円)である。死力を尽くしたサバイバルの先には、かくも巨額の富が待っているのだ。
日本の優勝ボーナスは5000万円
出場各国も、個別にボーナスを設定している。たとえばドイツは、ベスト8進出でひとりあたり5万ユーロが支給される。1ユーロ140円換算で700万円だ。ベスト4で10万ユーロ(約1400万円)、決勝進出で15万ユーロ(約2100万円)、優勝は30万ユーロ(約4200万円)となっている。
ベスト16以下の成績ではボーナスが支給されないが、ドイツは過去15大会連続でベスト8以上の成績を残している。グループステージ敗退やベスト16に終わった場合のボーナスは、設定する必要がないのだろう。
日本代表はどうだろうか。
優勝賞金は5000万円(金額は推定・以下同)、準優勝で3000万円、3位で2000万円、ベスト4で1500万円である。ベスト8は800万円で、グループステージ突破で600万円となっている。
このほかにも、試合の結果に応じたボーナスがある。
勝利は200万円で、引き分けは100万円だ。グループステージを2勝1敗で突破すると、2勝分の400万円とベスト16進出による600万円で、合計1000万円が選手に支給されるわけだ。
ビジネスマンの出張のように、日本代表にも日当がある。こちらは1万円だ。さらに加えて、契約するシューズなどのメーカーから、活躍度に応じて個別にボーナスが支給されるケースもある。
選手のモチベーションにお金は関係ない
代表チームのボーナスは、ヨーロッパのビッグクラブが設定する勝利給などに比べると決して高くはない。それでも選手たちがW杯出場を渇望するのは、世界最高峰の舞台で戦いたいという原初的欲求に突き動かれているからだ。日本代表の選手たちも、もちろん例外ではない。テレビ観戦も含めれば夏季五輪をはるかに上回る規模で繰り広げられるW杯は、サッカー選手なら一度は立ちたい舞台であり、一度立たったら二度目、三度目を目ざしたくなる。抗いがたい魅力を放つ大会である。
抱えきれないほどの富と名声を得た選手でさえ、W杯で敗れると涙を流す。スーパースターでさえ感情を爆発させるゲームには、4年分の重みがあるのだ。巨額なお金の動く大会だとしても、選手が胸に刻むのは純粋な闘争本能なのである。だからこそ、語り継がれるドラマが作り上げられるのだろう。