最初の提案プランはダメ出しだらけ 両親宅の新築計画は一時中断
(3)工務店施主との距離を大事にし、手作り感が感じられるのが工務店のイメージ
そうしたなか、今回の建設地が東京都杉並区ということもあり、同区を基盤に65年間、住宅供給に従事し、さらに上場企業という安心感も加わって、ふらっと相談に立ち寄ったのが細田工務店でした。予算の範囲内で希望にかなった高齢者仕様の住宅が建てられるのか、その見極めのために選んだ最初の工務店が同社でした。
来店時にわが家の生活事情や要望を伝え、その後、営業担当から提案プランの説明を受けました。敷地の形状や法令上の制限、また、腰を悪くした母親が少しでも快適に生活できるよう、間取りに配慮した提案をしていただきました。
しかし、同社からの最初の提案プランは正直、両親には不評でした。「玄関の位置が気に入らない」「窓が少ない」「見積り金額が予算をオーバーしている」―― あちこちとダメ出しです。そのため、同時期に母親の腰痛が悪化したことも重なり、いったん自宅の新築計画は中断となりました。
とはいえ、すでに敷地は取得済みです。いつまでも放っておくわけにはいきません。そこで、仕切り直して当方からゾーニングした簡易な間取り図を作成・提示し、そのプランを基に設計担当の人に図面化してもらい、不評点を修正しながら両親が望む間取りへと近づけていきました。
そして、3大依頼先の中から工務店を選出し、細田工務店が最有力候補として浮上。当方の要望に根気強く対応してくださり、どうにか両親の理解も得られたため、そのまま同社と契約する運びとなりました。
家は実際に住んでみないと良し悪しは分からない アフター保証は最重要!
通例であれば複数の工務店にプラン作成を依頼し、相見積もりを取るのが普通でしょう。しかし、季節は夏真っ盛り。高知県四万十市では最高気温が国内史上最高の41.0度を記録するなど、昨夏は猛暑に見舞われました。そうしたなか、高齢であり、また、建築知識が皆無な両親にとって、細田工務店からの提案プランを理解するのも一苦労なのに、複数社のプランが追加・比較検討となると、さらに両親の負担が増えます。そのうえ、2014年3月末(消費税5%)までに引き渡しを受けたいと思っていたので、相見積りを取ると施工業者の決定が遅れ、完成時期が遅れることも懸念されました。
また、業者選定に当たって細田工務店は創業以来、「設計」「施工管理」「アフター保証」を自社一貫体制で行なう『直営責任施工』を徹底しています。下請け業者に丸投げといった心配がなく、入居後のメンテナンス面でも安心感があったため、他業者との比較を要しませんでした。
悪しくも、今もって「不動産業はクレーム産業」と言われます。2005年11月に発覚したマンションやホテルの耐震強度偽装事件、いわゆる“姉歯ショック”は住宅業界を震撼させました。また、木造注文住宅の建築販売業者「アーバンエステート」の元会長らが2011年1月、契約者から工事代金を詐取した容疑で逮捕されたのは記憶に新しいところです。
その点、細田工務店には不信感を抱かせるような言動はなく、顧客価値を尊重する社風が感じられました。家というのは実際に住んでみないと、その良し悪しは分かりません。売ったら売りっ放しにしない同社の企業姿勢が確かな安心感につながりました。
こうして施工業者が決まりました。次回のシリーズ第4回目は、当初、不評だった間取りがどう修正されていったのか、その一部始終をご紹介します。どうぞ、お楽しみに!