本作を楽しむポイントは3点!
(1) レズビアン夫婦が築く家庭の在り方に注目!(2) 離婚後の両親の在り方に注目!
(3) ジェニファー・ロペスの目を通じ、違和感なく楽しめる作品に!
(1) レズビアン夫婦が築く家庭の在り方に注目!
主人公がレズビアン!?そんなドラマは絶対おもしろくない!!うんうん。わかります。私も第一印象は同じでした。ただそれは常識の鎖に縛られている日本人だけ。日本のドラマでは絶対主人公にならないレズビアンの夫婦がどんな展開を見せてくれるのか、ちょっと興味が湧きませんか?本作の主人公、ステフとリーナは女性同士の夫婦。家族には、ステフの実子のブランドンと、養子で迎え入れた双子の男女、それに一時的に預かっている少年更生施設から出たばかりのキャリーとキャリーの弟がいます。
2人のお母さんに、5人の血のつながらない子供たち。父親を持たず、母親だけの子供たちが抱える家族への複雑な思い、学校や周囲の人から受ける差別、父親がいないからと言われないように必死に子育てをする2人の母親。家庭内、家庭外の様々なジレンマや問題が描かれています。
前でも述べましたが、これまでゲイ/レズビアンのキャラクターたちは多くの海外ドラマに登場し、作品によいスパイスをきかせてきました。しかし、そんな彼らが、海外ドラマの主人公になるのはほぼ初めての出来事。海外ドラマもいよいよ次の一歩を踏み出したかと筆者は感じています。
日本だって、今から5年前、10年前には、今のように同性愛者の方やおネェの方がテレビで活躍される時代が来るなんて、思ってもいませんでしたよね? ようやく、とはいえまだまだだけど、同性愛者の恋愛が認識されるようになった日本。これから10年後には、日本だって、『フォスター家の事情』のように、同性愛者のカップルを主役にしたドラマがスタートするかもしれません。本作はまさに、日本の10年後をいくドラマだと言えます。
(2) 離婚後の夫婦の在り方に注目!
物語を見るにつれて明らかになっていく、ステフの過去。ステフの元旦那は同僚の警察官で、日本では認められていない共同親権を夫婦でもち、離婚後も2人で実子ブランドンを育てています。ステフの実子ブランドン (C)ABC Family
一方日本では、単独親権しか持てないことから、離婚後は、父か母、いずれかの単独での育児となるケースが多く、経済面が安定しなかったり、十分な教育を与えられなかったり、親権をもつ親がものすごく苦労をすることなどが問題視されています。
近年日本でも離婚を選択する夫婦が増えていますが、子供がいる夫婦の場合は、“離婚をしても子供の両親であることに変わりはないから、一緒に子育てをしていこう!”という本作の考え方が、法整備よりも前に、必要になってくるかもしれませんね。
離婚後の夫婦の在り方、子育ての方針などにおいても、一歩進んでいる作品です。