元プロも
ただ球の動きはCGでどうにでもなりますが、選手の動きはそういうわけにはいきません。そこで重要になってくるのが野球のできる俳優です。『弱くても勝てます』は、弱いんだからそれほど俳優の野球技術は要求されませんが、『ルーズベルト・ゲーム』は野球経験のある俳優を多くそろえています。投手・猿田洋之助役の佐藤祐基は高校の野球部出身、同じく投手・荒井亮太役の岩間天嗣も高校で野球部主将、ライト・鷺宮徹の小橋正佳はヤクルト所属の元プロ、他に片山享、岩間天嗣、檜尾健太、高良亘、足木俊介らが野球部出身。ライト・北大路犬彦役の和田正人は野球ではなくてソフトボール部出身。
ちなみに派遣社員から野球部に入る沖原和也役の工藤阿須加は、名投手・工藤公康のジュニアですが、野球部ではなくてテニス部の出身です。しかし高い身体能力を買われて、今回の出演となったようです。
野球俳優ナンバーワン
野球経験のある俳優で最も有名なのは横浜高校で松坂大輔とバッテリーを組んでいた上地雄輔。上地雄輔は『アストロ球団』に出演していましたが、その『アストロ球団』で主役のエース・宇野球一を演じた林剛史が野球俳優ナンバーワンでしょう。最初に注目されたのは『特捜戦隊デカレンジャー』デカブルー役のイケメンヒーロー出身。その後『アストロ球団』『H2』『ROOKIES』そして『ルーズベルト・ゲーム』と2005年以降の主な野球ドラマに出演しています。『H2』『ROOKIES』ではライバルチームのエース役、『ルーズベルト・ゲーム』では元青島製作所野球部のエースでライバルのイツワ電器に引き抜かれる飯島健太役と野球で最も重要なエースピッチャーを演じられる貴重な俳優です。
視聴率がとれない?
これまでの野球ドラマを振り返るとホームラン級の人気を博した『ROOKIES』を例外として、それ以外は視聴率的にはあまりヒットしていません。現在でも『弱くても勝てます』は視聴率低迷、『ルーズベルト・ゲーム』も「『半沢直樹』の後継」と期待された割にはイマイチです。やはり野球好きとドラマ好きの層は重ならないということでしょうか。野球好きは年齢高めの男性中心、ドラマ好きは女性中心とも言われていますし。また野球好きは野球ドラマよりはナイター中継を見たい。対してドラマ好きはナイター中継でドラマが潰れる、放送延長で予約録画に失敗するといったことが過去にはありました。
現在はナイター中継やその延長も少なくなり、またレコーダーの進歩により予約録画の失敗も少なくなりました。しかし積年の恨み(?)は簡単には晴れないのかもしれません。