日本の祭り/日本全国のおすすめお祭り

5月に行きたい日本各地の名物祭り 3選(3ページ目)

5月に行われる全国各地の祭りを、お祭り評論家山本哲也が独断で選びました。今回は、そのなかから開催日順に、石川の「青柏祭」、京都の「葵祭」、そして東京の「三社祭」の3つの祭りをご紹介します。

山本 哲也

執筆者:山本 哲也

日本の祭りガイド

三社祭(さんじゃまつり)(東京都台東区)

浅草名物の祭りで、江戸三大神輿の一つ。東京の祭りの中では人出が最多だとされています。
三社祭

三社祭

三社祭の「三社」とは何かをよく聞かれますが、ひとことでいえば「三人の社(やしろ)」という意味。その昔、3人の漁師が隅田川で漁の最中に観音像を引き揚げ、お寺を造って安置しました。このとき見つけた3人の人物がのちに「三社様」として祭られるようになったことに由来します。

三社祭は浅草寺ではなく、浅草神社のお祭り。しかし行事では神輿が浅草寺を通ることで、お寺なのになぜ神輿がと思われるかもしれませんね。実は、明治時代以前に「神仏分離令」が出るまでは、浅草神社と浅草寺は一体であったのです。祭りの見どころは、金曜日の大行列、土曜日に行われる「町内神輿連合渡御」、そして日曜日の「本社神輿各町渡御」です。

金曜日の大行列は、鳶頭木遣り・びんざさら舞・白鷺の舞などが行列となって浅草の街を練り歩くもの。祭りの雰囲気をいやがおうにも盛り上げてくれます。

土曜日の「町内神輿連合渡御」で、いよいよ神輿が登場。浅草44町の町内神輿およそ100基がそれぞれの町を出発、浅草寺の裏に到着し、正午に出発。それぞれの神輿が浅草の街を縦横無尽に行きかい、そして元の町会へと戻っていきます。翌日の「本社神輿各町渡御」ほどの荒々しさはないですが、神輿に彩られた、浅草らしい情緒が満喫できるでしょう。100基も神輿があるので、浅草の街をぶらぶら歩けば、どこかで神輿に遭遇できるはずです。

そして日曜日はクライマックスの「本社神輿各町渡御」。神社が直接管理する3基の本社神輿「一之宮」「二之宮」「三之宮」がくりだされます。本社神輿は、前日の町内神輿よりもかなり大きいサイズの神輿で、祭りのクライマックスをかざるにふさわしい勇壮なものです。

早朝、神社を出発し(宮出し)、浅草の街を一日かけて担ぎ通して、夜に神社へと戻っていきます(宮入り)。担ぎ手であっても競争はとても激しく、「神輿に触るだけでも一苦労」とまでいわれています。危険なので、見物人は神輿に近づきすぎないようご注意ください。

なお、早朝の本社神輿の宮出し・夜の宮入りともに、神社の境内へは担ぎ手・関係者以外の入場は規制されますので、一般の観客である私たちは、神社を出て街に繰り出した神輿を見ることになります。「一之宮」「二之宮」「三之宮」それぞれの巡行ルートと、通過予定時刻は、祭りに直前に、以下の三社祭公式サイトをご覧ください。

神輿見物の楽しみ方ですが、浅草の街をぶらぶら歩きながら神輿と遭遇するのを楽しみにするもよし。また、神輿をひとつ見つけたらずっと後ろをついて歩くのも、あたかも町会の一員になったような気分が味わえておつなもの。疲れたら無理をせず休憩し、こまめに水分もとりましょう。浅草グルメを楽しむのもおすすめ。

■三社祭
開催期日:毎年5月第3週の金曜日~日曜日(2014年は5月16日~5月18日)
会場:浅草神社および浅草地域一帯
アクセス:東京メトロ銀座線・都営地下鉄浅草線・
東武伊勢崎線(東武スカイツリーライン) 浅草駅下車
電話:03-3844-1575(浅草神社)
URL:http://www.sanjasama.jp/
写真提供:(公財)東京観光財団

5月は気候も暑すぎず寒すぎず、思わずお出かけしたくなる季節。この時期、有名で大規模な祭りも多く、ゴールデンウイーク期間中のイベント・祭りから、豊作祈願の祭り、初夏を告げる祭りまで、数も種類もとても豊富です。
ぜひ、祭りにイベントに、出かけてみませんか?

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