そこで、5月に行われる全国各地の祭りを、お祭り評論家山本哲也が独断で選びました。今回はそのなかから開催日順に、石川の「青柏祭」、京都の「葵祭」、そして東京の「三社祭」の3つをご紹介します。
青柏祭(せいはくさい)(石川県七尾市)
能登に伝わる春のお祭りで、五穀豊穣を祈る祭り。曳山(ひきやま)が巨大なことから、「でか山」の別名をもつ祭り。曳山の大きさは、高さ約12メートル、車輪が直径約2メートル、重さが約20トンで、曳山としては日本最大級の大きさを誇ります。写真を見ると、見物人が曳山の車輪よりもさらに低いので、その巨大さが想像できるでしょう。これだけの巨大な曳山が、釘をまったく使わず、藤づると縄だけで組み立てられるのも驚きです。
歴史は1000年以上あると言われていて、平安時代の981年、当時の能登国の国主が「能登の国祭り」と定めたのが祭りの始まりとされています。
この祭りの見どころは、何といっても3台ある「でか山」が狭く情緒ある路地を縦横無尽に曳きまわされること。そして角を曲がるときの「辻廻し(つじまわし)」です。でか山の底部中央に、進行方向とは直角に動く小さな車輪があり、辻廻しのときは曲がる方向へ曳きながらこの車輪を動かすという精巧な仕組み。ギシギシ揺れさせながらでか山を一気に曲げるさまは、迫力満点です。
意外と知られていないですが、この祭りは観光客でも誰でも飛び入りで曳き手として参加することができます。
青柏祭に参加の様子
写真2枚目は、筆者が参加したときの様子です。しっかり参加するなら、運動靴など脱げにくい靴を履き、軍手を持参することをおすすめします。ハイヒールやサンダル・下駄などは脱げやすく危険ですのでNG。
また、この時期の七尾は夜が冷えるので、羽織る物も用意しておきたいところです。詳細なスケジュールが、下記のでか山公式サイトにあります。
もし1日だけ見物にいけるとしたら、5日朝に現地に着き5日夜に泊まり、翌朝帰るのがおすすめです。2日間行けるなら、4日~5日。宿は、JRでひと駅の和倉温泉に泊まられる方が多いです。
■青柏祭
開催期日:毎年5月3日~5日
会場:七尾市市街地中心部
アクセス:JR七尾線 七尾駅下車徒歩約5分
電話:0767-53-8424 (七尾市観光協会)
URL:http://www.nanaoh.net/p100.html