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使うほどにその良さを実感する 小石原焼き

どことなくモダンで、温かみのあるぽってりとした器小石原焼き。和食はもちろん、洋食、スイーツ、お花を活けたりそのまま何も入れずに飾っていても絵になる器です。

江口 恵子

執筆者:江口 恵子

家事ガイド

「民芸運動」と共に広まった歴史ある窯元

今回は九州福岡県の「小石原焼き」をご紹介したいと思います。先月ご紹介した「小鹿田焼き」の方がもしかしたら目に耳にする機会が多いのかもしれませんね。私も先に知ったのは小鹿田焼きでしたが、実は歴史的には小石原焼きの方が古く、小石原焼きの陶工が大分県日田に窯を開いて出来たのが小鹿田焼きだそうです。

小石原焼きの起源は古くて1669年、地名から当時は中野焼きと呼ばれていたそうです。確かに、2つは代表的な技法「飛びかんな」など共通の技法が用いられていて雰囲気も似ています。普段使いの素朴な器でどちらも使いやすく、私も両方を気分によって料理によって、一緒に合わせる器によって使い分けています。


使い方は無限 「用の美」の器

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グレイッシュトーンで上品なお皿

個人的な印象としては、小鹿田焼きの方がより素朴で温かみのあり、小石原焼きの方がよりシンプルでモダンな印象でしょうか。どちらも窯元が幾つもあるので窯によっての差ももちろんありますよね。

現在、小石原焼きの窯元は56あるそうです。そのうちの15の窯元さんとフードコーディネーター長尾智子さんとのコラボレーションで出来た器のシリーズが「小石原ポタリー」こちらの器は都内の食器屋さん、雑貨屋さんでの時々見かけます。どことなくヨーロッパぽい、パリっぽい雰囲気で料理を盛るのはもちろんなのですが、お花を浮かべてみたり、そのままチェストなどの上にも置いておきたくなります。

特に昨年出た新しいシリーズは、フリーカップ・フリープレートといって持ち手がないシリーズなのですが、この持ち手がないフリーカップはとても使い勝手が良く、ての中にすっぽりと収まるサイズ感がたまりません。

私が小石原焼きを知るきっかけとなった器は実はこのフリーカップ。小石原ポタリーとは別の窯元さんのフリーカップなのですが、鶴見窯・和田義弘さんの作品で、ひと目見て色、形、サイズ、柄の全てにノックアウト!自分のスタジオで使う食器を特別に作ってもらいました。フリーカップ その名の通り使い方はその人次第、フリーなのです。お茶やコーヒーはもちろん、あんみつやとライフルなどのカップデザート、汁物、和え物、ごはん、何でもOKです。

しかも、少し厚めでぽってりとしていてすごく丈夫です。6年間、撮影やパーティーなど沢山の人に使ってもらってますが、今まで割れたのはなんと1つだけです。とても丈夫なんですよね。小石原焼きの説明には必ず(小鹿田焼きもしかり)「民芸」「用の美」といった言葉が出てきます。

日常使いの中の美、伝統工芸ではなく、民衆の使う普段使いの工芸品。繊細なものや、高級なものにももちろんその良さがあり私も魅力を感じ使いますが毎日の日常の中での器はやっぱりこの「用の美」に限るのかもしれませんね。

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