キーボードは筆記具以上に手に馴染むものを使いたい

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CEREVO「EneBRICK HHKB Edition」1万2788円(税別) 他に、写真のHHKBのロゴが無い通常バージョン(1万2800円・税別)もあります。

ガイド納富は、今までに膨大な量の文字を書いてきました。19歳くらいまでは手書きで、受験勉強などでかなりの文字を書き、それ以降はワープロやパソコンで、学生としてライターとして、さらに多くの文字を書きました。それらを合計すると、多分、もう手で書いた文字よりもキーボードで書いた文字の方が、遥かに多いでしょう。現在も、ノートに万年筆でだらだらとアイディアを書き留めたり、取材でメモを取ったりと、かなりの文字数を手で書いていますが、パソコンに向かってキーボードで書いている量は、その何倍にもなります。

つまり、ガイド納富が文字を書く場合に、最も頻繁に使うのは、パソコンに繋がっているキーボードなのです。だから、筆記具以上に、キーボードの打ちやすさが重要です。未だにノートパソコンではなく、デスクトップのパソコンを使っているのも、お気に入りのキーボードを繋いで使うのに便利だから、というのが大きな理由のひとつです。主に文章を書くのに使用しているのは、iMacに繋がっているPFUの「HAPPY HACKING KEYBOARD Professional JP Type-S」(以下、HHKB)です。また、Windowsのパソコンにも「「HHKB Professional JP」を繋いでいます。
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端子は、タブレットなどを充電する際に使うものと、キーボードを繋ぐもの、それぞれのUSB端子と、本体の充電用のマイクロUSB端子。小さな穴はリセットボタンだ。

今のところ、このキーボードで自宅のiMacに向かってキーボードを打つのが、最もスムーズに頭の中にある文字を形にするのに適した環境のようです。速度にせよ、効率にせよ、手応えにせよ、長い文章を上手くすれば下書き無しで一気に書き上げる事が出来るのは、今のところこの環境だけです。なので、それ以外の環境は、あまり差が無いというか、ノートパソコンでもiPadでも手書きでも、それほど効率とか速度とか出来上がる文章の出来などに影響を与えないようです。流石にiPhoneだと、別途キーボードが無いと、ちょっと苦しいですが。

しかし、背に腹はかえられないというか、どうしても外出先で文章を書かなければならない時はあります。そういう場合、現在は、iPadかiPad miniに、Bluetooth接続の小型キーボードを組み合わせて使っています。これはこれで、ちょっとした文章を書くには特に問題もないのですが、だったらソフトキーボードで画面を直接タッチしても一緒だと思う事も多いのです。HHKBレベルのキーボードが繋がらないのなら、どうせ短時間でガッツリと長い文章を書く事はないわけで、それなら何を使っても大差ないと。お気に入りの万年筆がなくても、文章は書けるわけです。

タブレットの入力にHHKBが使えるモバイルバッテリー

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本体を引っ張ると、タブレットなどを立てることが出来るスリットが現れる。

と思っていたら、何と、iPadやiPad mini、iPhoneやAndroidのタブレットなど、要するにBluetoothで繋がる機器なら、どれでも、HHKBProが使える、という機器が登場しました。CEREVOの「EneBRICK」です。一見、ちょっと大きめのモバイルバッテリーのような機械ですが、そして実際モバイルバッテリーでもあるのですが、そのバッテリーに充電された電力を、キーボードを動かすための電力として利用可能で、Bluetoothを内蔵していて、タブレットなどを立てて置けるスタンドの機能も持っているという製品なのです。
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Bluetoothで本体とタブレットを繋いでしまえば、後はキーボードと本体をケーブルで繋ぐだけ。ただし、付属のマイクロUSBケーブルはHHKBには使えないので、HHKBとの接続は、HHKB付属のケーブルを使う事

何だか面倒くさそうですが、使ってみると簡単。「EneBRICK」の二つのUSB端子は、一つがタブレットやiPhoneなどの充電用、もう一つがキーボードの駆動用ですから、このキーボード側と、使いたいキーボード、例えばHHKB Proなどを繋ぎます。後は、使いたいタブレットと「EneBRICK」をBluetoothでペアリングすれば、繋いだキーボードから、タブレットなどに文字入力が行えます。これで、USB接続のキーボードなら、ほぼ何でも動くので、普段の環境でタブレットに文字入力する事が出来るわけです。正に、「HHKB」ユーザーのための製品のようなもので、そのあたりは、誰しも考える事は同じで、PFUとのコラボモデルが用意されています。ガイド納富が入手したのも、当然、「HHKB」のヘビーユーザーとしてコラボモデルです。
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キー入力はスムーズ。通常のBluetoothキーボードと同様のレスポンス。

本体をスライドさせると、溝が現れるので、そこにタブレットを差し込むと、タブレットが立つので、その状態で文字入力をすれば、ほとんどパソコンに入力しているのと変わらない快適さで、キーボードを打って文字を入力出来ます。愛用のキーボードで、タブレットに文字入力が出来ると、それは、もはや手の感触的にはノートパソコンを越えます。特に、「HHKB Pro JP」や「同Type-S」の場合カーソルキーも付いているので、入力後の文字の数文字前を消したい、といった場合もスムーズに操作出来ます。

屋外でHHKB Proが使えるという状況のありがたさ

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ガイド納富が愛用しているのは、PFUの「HAPPY HACKING KEYBOARD Professional JP Type-S」。使い込んでいて、あまりキレイではないのは勘弁して下さい。

「HHKB」シリーズの場合、キーボード自体が元々コンパクトなので、持ち歩くのもさほど苦になりません。というか、まあ、荷物にはなるのですが、比較的現実的です。そのままカバンに放り込んでも入るサイズですし、他には「EneBRICK」本体とタブレットとケーブルだけなので、どうしても外でしっかり仕事しなければ、という場合の荷物としては、ガイド納富的には、まあ許容範囲です。
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iPadを横使いにすると、ほとんどデスクトップパソコン。どこでも仕事に集中出来る。

実際に、外に持ち出して使っているのですが、何というか、その目立ち方はノートパソコンの比ではありません。もう完全に、仕事場を持ち込んだ、という感じになります。だから、確かに、仕事は捗ります。目の前が仕事空間過ぎて、気も散りません。特に、iPadを横置きにして繋いだ時の、デスクトップパソコンっぽさは、ちょっと凄いです。もう、自分のデスクとしか言いようがありません。ガイド納富としては、荷物とのバランスもあり、iPad miniの縦置きくらいが丁度良いような気がします。
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バッテリー内蔵のタブレットスタンド、という考え方もできるので、タブレットで映画などを観る時に使うとバッテリー切れの心配が無い。

バッテリーとタブレットスタンドが一体化した製品と考えれば、充電しながら、映画などを観る、といった使い方も出来ます。縦置きにする場合は、充電用のプラグが下にあるモデルが多いので、画面を回転させて、上部から充電するようにします。これで、電子本などをバッテリー切れの心配なく読む事も出来ます。残念なのは、画面の回転機能がないKindle Paperwhiteには使えないという点ですが、paperwhiteはバッテリーの持ちが良いので大丈夫ということにしておきましょう。

ガイド納富の「こだわりチェック」

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バッテリーとしては、5V、2.1A、容量6000mAなので、タブレット1回分を充電出来る感じ。

普段持ち歩くモバイルバッテリーとして、この「EneBRICK」を使っていて、外で長文を書く時には、HHKBとケーブルを持っていく、と考えると、運用としては結構実用の範囲だと感じます。機械接点式ではない、無接点式のHHKB Proは、物理的に結構丈夫だし、小さくて軽いので、仕事道具と思えば持ち歩きが苦になりません。ガイド納富にしてみれば、とても嬉しい製品なのですが、そこまでする必要がある人が、それほど多いとは思いませんし、やはりニッチな製品である事は間違いありません。ただ、こういう選択肢を増やす製品というのは、とても重要だと思うのです。
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スタンド用の溝にはアジャスターが付いていて、使用するタブレットに合わせて角度を変えることも出来る。こういう細かい部分の配慮が嬉しい。

他に無い、ほぼ唯一無二の製品だけに、まだこなれていない部分も多々見受けられます。充電中に充電されているかどうか分からないとか、電源が現在入っているかどうか分からないといった、こちらからのアクションに対して、あまりにもリアクションが分かりにくいというのは、中でも大きな欠点だと思います。あと、細かい事ですが、リセットボタンの穴が小さ過ぎて、通常のシャープペンシルの先でも上手く押せないのは、ちょっと困りました。出来ればマルチ接続にも対応してもらいたいとも思います。

そして、この製品の最大の問題は、実は製品そのものにあるのではなくて、その入力環境が快適過ぎて、つい用もないのにHHKBを持ち歩いてしまう事で荷物が増えてしまう事と、やはり入力環境が快適過ぎて、iOSの漢字変換機能への不満が募る事だったりします。

<関連リンク>
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ガイド納富が書いたPFU「Happy Hacking Keybord Professional JP」についての記事はこちら

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