アート・美術展/アーティストはどういう人?

“実体のなさ”が魅力になる、小瀬村真美さんのアート

アート作品をつくる人=アーティストとは、どういう人なのでしょうか。いま生きているアーティスト、つまり現代美術のアーティストに直撃し、制作や作品の背景、アーティストの生きかたについて話を聞いてみましょう。今回は映像をつかってアート作品をつくる小瀬村(こせむら)真美さん。作品に女性的、日本風なテイストを感じる彼女は、どういう姿勢で制作に取り組んでいるのでしょうか?

藤田 千彩

執筆者:藤田 千彩

アートガイド

絵画や彫刻に比べて、映像作品は歴史が浅いジャンルです。しかしビデオカメラやパソコンの普及によって、制作するアーティストもつくられるアート作品も増えており、現代アートの展覧会では目にすることも多いでしょう。

小瀬村真美undefinedMind as Passion, Taipei Fine Art Museum, 2009

小瀬村真美 Mind as Passion, Taipei Fine Art Museum, 2009


 
小瀬村真美さんの映像作品だけでなく、現代アートの映像作品は、置かれた空間をうまく取り込んで、場所全体を作品と見なす「インスタレーション」と呼ばれる形態を取っています。画面に映る映像だけを味わうのではなく、体全体で空間を楽しんでみる、それがインスタレーションの鑑賞方法です。

映像作品の魅力は「実体のなさ」


MOT Collection,  東京都現代美術館, 2011undefinedPhoto (C)椎木静寧

MOT Collection, 東京都現代美術館, 2011 Photo (C)椎木静寧


 
大学時代は油絵も描いていた小瀬村さんは、「映像作品の一番の魅力は『実体のなさ』です。絵画であれば絵具、立体作品のであれば木や金属、というような『具体的な物』が必要ですが、映像作品はそういったものを必要としないところが、頭の中の出来事を表現することに適していると感じます」と言います。

テレビでも映画でも、映像を見ていると自分の目の前で起こっているように感じたり、過去の記憶と混同することがありますよね。こうした人間の感覚に訴えつつも、幻影という儚さのある「映像」に、小瀬村さんは魅力を感じているそうです。

作品の制作するとき、小瀬村さんは他人が見ても分からない数列やク?ラフも書いていきます。そして花や人物などの実物を撮影した映像や写真をパソコンで加工しながら、イメージを少しずつ固めていきながら、作品をつくっていきます。
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