名古屋名物・手羽先の全国チェーン
世界の山ちゃんの原点がココに
本当に久しぶりの「名古屋自腹メシ」。ガイド・大竹が自腹で飲みに行ったお薦めの居酒屋をご紹介します。今回飲みに行ったのは「串かつ やきとり やまちゃん」。名古屋メシのひとつ、手羽先の有名チェーン「世界の山ちゃん」の系列店です。基本的に個人経営の居酒屋をピックアップしているこのシリーズでなぜ山ちゃんを? と思われるかもしれませんが、実はここ、本部直営店ではなく独立採算ののれん分け店なんです。山ちゃんは居酒屋チェーンとしては珍しく直営店主体で、ここはグループの中で数軒しかない個人経営の店舗なのです。
昭和56年の創業当時の姿を復刻しているのも大きな特徴。1号店は4坪13席の屋台に毛が生えたような店だったとか。ビールケースを積んだテーブルと丸イスを土間に並べただけというチープな店構えは、それにならったものです。名古屋駅からほど近いながらも目立たない裏通りというロケーションも、小ぢんまりした店の雰囲気にはマッチしています。
目玉の手羽先はもちろん山ちゃんと同じ。ピリッと刺激的なスパイスとうまみがクセになるタレ、秘伝の黄金コンビの醍醐味を味わえます。
焼き鳥やおでん。チェーンの山ちゃんにはない
オリジナルメニューもあり
そして、山ちゃんにはない焼き鳥やおでんなどのオリジナルメニューも。旬の素材を活かした月替わりメニューもこの店ならではです。カウンターの横でいい香りを漂わせているのがどてをぐつぐつ煮込んでいる鍋。名古屋人好みの濃~い茶色のどてがやわやわに煮込まれています。串カツもおでんもここにどぼんとつけて、味噌串カツ、味噌おでんにして味わえるのです。こってり甘い味噌味がたまりません。
ビールの大瓶やおでん、どてはセルフサービスで自己申告制。このシステムも屋台のようで、30数年前の牧歌的な空気を感じさせてくれます。店長は基本的に1人で切り盛りしているようで、慣れた調子で冷蔵庫からビールを取り出し、おでんを皿に盛っていく常連さんとの間であうんの呼吸が出来上がっています。
昭和のムードを伝えるニクい演出
似顔絵でおなじみの会長の若かりし姿も
創業時の雰囲気を伝える演出も楽しめます。壁にはレトロなビールやワインのポスター、当時のお客さんらの写真が貼られ、現会長の若かりし頃の姿も! 山ちゃんが一大チェーンになる前から知っているオールドファンにとっては何とも感慨深いものがあります。さらにトイレには昭和56年の新聞が! 自分の当時の年齢と照らし合わせてノスタルジックな気分に浸ることができるのです。また、店内には「西村荘」と書かれた隠し扉があり、開けると階段の上に会長のご両親の写真が。創業店では、お二人が店舗の2階で暮らしていたそうで、当時のつつましい生活をさりげなく再現しています。
なかなかニクい仕掛けが随所に秘められている創業復刻店。山ちゃんを古くから知る人ほど、自身の居酒屋遍歴などを思い起こしながら楽しめるんじゃないでしょうか。
【この日のオーダーと料金】
・晩酌Aセット(ビール大瓶、どて串・おでん、枝豆、手羽先唐揚げ2本、串かつ2本)
・ハムカツ
・やきとり(もも、皮、ねぎ焼き)
・ 焼酎
……合計 1730円
□ 串かつ やきとり やまちゃん
・住所:名古屋市中村区名駅4-15-26
・アクセス:名古屋駅より徒歩5分、地下鉄桜通線国際センタービル駅から徒歩2分
・TEL:052-564-1017
・営業時間:17:00~深夜
・定休日:不定休(基本的に日曜休)
・Yahoo地図情報
【名古屋自腹メシ バックナンバー】
□第1回 「JIROMAL」 (※閉店)
□第2回 「お番菜と酒 おっこん」 (栄)
□第3回 「うどん家 匠庵」 (錦)
□第4回 「焼酎居酒屋 モモガッパ」 (錦)
□第5回 「貝と地酒 杉むら」 (栄)
□第6回 「どての品川」 (堀田)
□第7回 「島正」 (伏見)
□第8回 「雑炊 いちい」 (伏見)
□第9回 「ふじ原」 (久屋大通)
□第10回 「炭火やきとり きんぼし」 (伏見・今池・新栄)
□第11回 「大甚 本店」 (伏見)
□第12回 「魚めし 竹亭」 (伏見)
□第13回 「珍串」 (名古屋駅)
□第14回 「歓酒亭 大安」 (金山)
□第15回 「どて焼 五条」 (円頓寺)