、「住宅取得は人生で最も高い買い物」といわれます。そのため、私たち消費者は先々に不安を残さないようにしたいものです。そこで、住宅取得の段階を、〈情報収集〉と〈依頼先の決定とその後〉の2回に分けて、私たちがポイントとすべきことを考えていきます。今回は〈情報収集〉編です。
イメージを伝えるための工夫をしよう!
モデルハウス入り口のカンバンのキャッチフレーズ。「あなたの夢を叶えます」とあるが、夢といっても人それぞれ。注文住宅の世界はまさに人それぞれの世界だ
しかし、いくつか注意すべきことがあるように思います。そこで今回は、注文住宅を中心にそのポイントを列記していきます。ポイントは大きくいくつかあり、以下のように整理できると考えています。
(1)情報の収集を行う
(2)住宅展示場などで依頼先を絞り込む
(3)依頼先を決定する
(4)決定した依頼先と詳細を詰める
(5)新居に入居するための準備をする
上記の(1)~(2)が今回の内容となります。まず、「(1)情報の収集を行う」について。一言で住宅といっても様々です。特に注文住宅による住宅の取得は、大きな意味では「何もない段階から検討を行う」という作業になります。また、土地の有る無し、資金の多寡(多い少ない)に始まる条件の違いはもちろんのこと、家族の中でさえ新居に対するイメージは違います。
中でも家族の中のイメージの違いというのは重要で、それをうまくまとめておかないと、その後の段階で大変苦労することになります。例えば、旦那さんは和風、奥さんが洋風の住まいが良いと考えていることだって、ないわけではないです。いわば「価値観」を共有するということを、初期段階でしっかりとやっておくべきだと思います。
情報収集の初期段階は全体像の把握を
また、情報収集の手段についてですが、雑誌や新聞、テレビ、インターネットなど様々なメディアを活用すれば良いとは思いますが、いくつか注意点があります。初期段階では、あまり過剰に考えすぎず、大まかな輪郭をつかむ感じで良いのだと思います。この段階で確認すべきことは、
・大まかな資金の目安・計画
・どんな住まい(デザインなど)に住みたいか
・どんな工法があるか
・どんなハウスメーカーがあるか
・住まいづくりのトレンドの把握
などで十分でしょう。
情報収集の有力なツールとなるのが住宅雑誌。気に入った内容やデザインの記事などを切り出しスクラップにしてまとめておくと、後々、依頼先にイメージを伝えやすくなって便利だ
ですが、情報収集の段階ではそんなに心配しなくて大丈夫。それらの知識は、住宅展示場などを訪問すると、後々、自然に得られるようになります。ハウスメーカーなどと商談をする内に、皆さんが思いもしなかったアイデア(ご両親からの生前贈与など)が出てくるはずです。
ちなみにハウスメーカーの情報については、「よく分かるハウスメーカー」に大手10社分の記事を用意しています。こちらをお読みいただくことで、住宅の工法や省エネなどのトレンドが把握できると思いますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
要するに、情報収集の初期段階というのは、住宅取得のための全体像を把握するといった気軽な気持ちで良いのです。で、徐々に情報を絞り込み、依頼先を決めるための段階が住宅展示場などの訪問とそれに関連する出来事になります。次のページでそのポイントについて考えていきます。