家相・風水/家相の基礎知識

風水と家相で考える間取り(2ページ目)

風水と家相は同じように考えられがちですが、中身は違います。日本の家相では何が大切なのか、現代的な視点で読み解いていきます。

佐川 旭

執筆者:佐川 旭

家を建てるガイド


検証‐マンガ「クレヨンしんちゃん」の家相はいかに

クレヨンしんちゃんの野原家は、玄関を入ると吹抜けで、廊下がなく、ダイニングキッチンとリビングがつながっているモダンさを感じさせる間取りです。

1階平面図

1階平面図

 

2階平面図

2階平面図

家相的にいえば、まさに北東にあたる場所にトイレや浴室が配置されています。しかし家相は、江戸時代の生活環境、建築技術を前提にしたものなので、現代のしんちゃんの家は臭いをこもらせることもなく、暖かく快適な場所にすることは可能です。問題なのは、階段の位置です。玄関を入ってすぐに階段があると、運気が上がると言われているので、ここでは階段を玄関のそばに設けているのでしょうが、これでは東側の光が遮られてしまいます。


現代的な視点で家相をみる

家相は日本という気候風土の中で、いかにうまく自然と折り合いをつけた住まいをつくるか、それを長い歴史の中で築きあげてきた住まい学であるということがいえます。ですから、家相を「べからず集」と考えるのではなく、住まいの中の環境を教えてくれる参考書と考えればよいのです。家相でこう書かれているから、必ずそうしなければならないということはありません。わたしは現代的な意味での「吉相の住まい」は、次の5項目と考えています。

1.使い勝手がよく、暮らしやすい住まい
2.自然を取り込んだ、環境に負担をかけさせない住まい
3.自然素材を使い、健康に暮らせる住まい
4.各種の障壁がなく、家族全員が安心して暮らせる住まい
5.コミュニケーションが充実し、家族の絆が深まる住まい


そして江戸時代であっても現代であっても、普遍的な光と風、つまり採光と通風は、今後何百年たっても、住まいの中に変わることのない重要な要素です。
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