サッカーに携わる多くの人々を知る『サッカースタジアム』

表紙写真

表紙はスタジアムを上から見たところ

『サッカースタジアム』(鎌田歩作・福音館書店・月刊かがくのとも2013年2月号)は、お父さん・お兄ちゃんと一緒にサッカーの試合を見にきたかんちゃんが主人公。お話は、なんと試合終了の合図から始まります。

そう、『サッカースタジアム』は、サッカーの試合ではなく、今まであまり見ることのなかった、競技場である「サッカースタジアム」やそこで働く人たちについて書かれた絵本です。

では、ここで少し考えてみてください。サッカーの試合に携わっている人には、どんな人がいますか。どんな仕事がありますか。

さて、どんな人を思い浮かべることができたでしょうか。選手・審判・観客・警備員…… 実は、それ以外にももっと沢山の人がいます。絵本を読み進めるうちに、サッカーの試合には想像以上に多くの人が携わっているのだということが分かってきます。早速、中を見ていきましょう。

『サッカースタジアム』の魅力が伝わる2つの視点

まずは、こちら。スタジアムを遠くから見た、画面いっぱいにイラストが描かれたページです。
中ページ写真

試合直後のスタジアムの様子(P.10-11より)


このページは主に観客が描かれていますが、よく見ると、スーツを着ていたり、キャップをかぶっていたり、明らかに観客とは違う服装の人たちがいます。テレビやラジオの関係者や、出店の店員さんたちでしょうか。

次にこちらのページをご覧ください。
中ページ写真

片付け作業の過程を見ることができます(P.20-21より)


ゴール脇の広告が筒で巻かれたり、ゴールのネットが外されたりしている様子が、一つ一つ丁寧に描かれています。作業しているのは、スタジアムのスタッフたちですね。

このように、『サッカースタジアム』は、スタジアムを遠近両方の視点で行ったりきたりしながら進んでいきます。スタジアムという建物から味わえる非日常的なワクワク感と、それらを支える人々の仕事のきちんとした様子とが伝わってきます。

お祭りのように楽しむサッカーの試合

多くの人々が携わるサッカーの試合。これまで見てきたように、様々な人がいろいろな役割を果たしていましたよね。サッカーに関係する仕事は、サッカー選手だけではないのです。けれど、この『サッカースタジアム』という本が、仕事場を紹介する類の絵本なのかというと、それは少し違うようです。

この本の主役は、サッカーを見にきた男の子。それから、スタジアム。試合後で汗だくの選手たち。大きな旗を振る応援団。芝の状態を確かめる係の人……そう、この本に出てくる人全員なのです。

作者の鎌田歩さんは、「作者のことば」でこのようにおっしゃっています。

「サッカーの試合は、たくさんのスタッフと観客全員が参加して成立する大きなお祭りのようなものではないでしょうか。けっしてチームや選手だけが主人公ではないのだと思います」

サッカーの試合は、大きなお祭り。『サッカースタジアム』からは、全員が集中して、一生懸命、楽しく活動している様子や、サッカーを好きな人たちの、いきいきとした熱気が伝わってきます。

『サッカースタジアム』は、サッカーそのものではなく、その周辺を描くことで、サッカーの魅力を伝えてくれる本です。きっと皆、お祭りのようなサッカーの試合に出かけてみたくなるはず。ぜひお楽しみください。





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