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2014年4月のオススメ展覧会・美術展(4ページ目)

日本全国の2014年4月のオススメ展覧会・美術展を紹介。東京国立博物館(上野)特別展「栄西と建仁寺」、平塚市美術館(神奈川県)「石田徹也展-ノート、夢のしるし-」、森美術館(六本木)「アンディ・ウォーホル展:永遠の15分」、江戸東京博物館(両国)「大江戸と洛中 ~アジアのなかの都市景観~」、千葉県市原市を中心に開催されている「中房総国際芸術祭いちはらアート×ミックス」を紹介します。

浦島 茂世

執筆者:浦島 茂世

美術館ガイド


「都市」とはなにかを探る
江戸東京博物館(両国):開館20周年記念特別展 大江戸と洛中~アジアのなかの都市景観


重要文化財 十二都市図世界図屏風 六曲一双undefined 17世紀初頭 南蛮文化館蔵undefined 展示期間:3月18日~4月13日

重要文化財 十二都市図世界図屏風 六曲一双 17世紀初頭 南蛮文化館蔵 展示期間:3月18日~4月13日


これは六曲一双(6つ折りの屏風が2枚で一組という意味)の屏風に仕立てられた世界地図(クリックで拡大できます)。世界地図の両側には、当時栄えていたヨーロッパの都市が俯瞰図で描かれています。

そう、この展覧会のテーマは「都市」。とくに江戸時代に日本を代表する都市であった江戸と京都について、そしてアジアの都市からどのような影響を受け、発展をしていったのかについて考察するスケールの大きな展覧会です。


坤輿万国全図 3幅一揃 江戸時代 東京都江戸東京博物館蔵

坤輿万国全図 3幅一揃 江戸時代 東京都江戸東京博物館蔵

こちらは、ポルトガルの宣教師マテオ・リッチが作成した「漢訳世界地図」の写本。イエズス会の宣教師として中国で活動したリッチは、キリスト教とともに中国にヨーロッパのヨーロッパの技術や文化を伝え、鎖国時の日本にも大きな影響を与えました。


地球や地形、街を縮小したもの、と考えられがちな地図ですが、いろいろな見方をすることができます。地図そのものを見れば、日本は世界のなかでどのように見られていたについて考えることもできますし、地図をきちんと屏風にしていたことから、日本の人が地図、そして世界をどのように考えていたのかも考えることができます。

ちなみに、展覧会のさらなるオススメの一点は1863年に火事で焼失してしまった江戸城本丸の平面図である「江戸城御本丸惣地絵図」。細かさとスケールの大きさにとにかく圧倒されます。紙の絵図だけで城の大きさを思い浮かべられるのですから、城が現存していたら素晴らしく大きかったのだろう、と想像も楽しめます。

このほかにも、古代中国の都市づくりが京都の都市設計へ与えた影響や、さらには江戸の都市が他の都市とどのように違うのかなど「都市」をじっくりと考えるきっかけを与えてくれる展覧会です。地図が好きな方にはオススメの展覧会です!

■DATA 開館20周年記念特別展 大江戸と洛中~アジアのなかの都市景観について
展覧会名称:開館20周年記念特別展 大江戸と洛中~アジアのなかの都市景観
会場:江戸東京博物館
会期:2014年3月18日(火)~5月11日(日)
開館時間:9:30-17:30
※土曜日は19:30まで
※入館は閉館の30分前まで
休館日:5月7日および月曜日
※ただし、4月28日、5月5日は開館
Web: http://www.edo-tokyo-museum.or.jp

次のページでは市原市南部地域(千葉県):中房総国際芸術祭 いちはらアート×ミックスを紹介します。

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