五感を刺激する屋台
注文から料理、会計まですべて店主が行う。だから屋台料理には店主の魂がこもっている
小さな厨房と簡単な調理器具で巧みに料理をする達人
屋台では、チリソースの刺激的な匂いが漂い、ジュージューと麺を炒める音が聞こえてきます。にこやかにお客さんと会話する店主がいれば、真剣な表情で麺をゆで続ける料理人がいます。見て、匂って、聞いて、味わって。カラダ全体で食を楽しむ空間、それが屋台。色んな料理が目の前でどんどん作られていくライブ感は、まるでキッチンスタジオにいるようにワクワクします。
屋台料理の選び方
中国系の麺屋台。料理写真を指さして数を伝えれば注文OK
料理に付いているチリソースはお好みで
屋台の選び方は、人が集まっている店を選ぶのが基本ですが、人気店が自分の味覚に合うとも限らないので、食べたい料理を本能で選びましょう。温かい料理を食べたいなら、麺(マレーシア語はmee)系屋台へ。熱々のスープ麺を提供してくれます。いろんな料理を食べてみたいなら、ご飯系屋台(マレーシア語はnasi)へ。多種多様なおかずが並んでおり、食べたい料理をチョイス。おかずの中のシーフード系(魚、海老、蟹)は高額なことが多いので、値段が気になるなら、お皿に盛ってもらう前に確認しましょう。
屋台が集合する場所、ホーカーセンター
マレーシア各地にあるホーカーセンター。住民の憩いの場でもある
ペナンのガーニードライブにある有名屋台
ホーカーセンターは住宅地にあることが多いので、残念ながら繁華街クアルンプールにはあまりありません。ブキビンタンのチャンカント・トンシン通りに、中国系の小さなものがあるぐらい。ダマンサラやペタリンジャヤまで行けば、広大なホーカーセンターを満喫できます。
ホーカーセンターでの注文、会計
夜のホーカーセンターの様子。屋外の解放感がいい
マレー系のご飯屋台はナシチャンプルー
- 座る席を確認。
- 選んだ料理の屋台で注文し、「あのあたりに座ってるからね」と指さしで伝える。
- 席に座って待つ。
- 料理を持ってきてくれたらその場で会計。
ご飯系屋台(マレー系屋台はnasi champur/中国系屋台では経済飯/インド系屋台はnasi kandarとよぶ)の場合、注文と同時にお皿に盛ってくれるので、会計をして、お皿を受け取ってから席に着きます。お釣りが無いことも多いので、屋台に行くときは細かいお金を用意しましょう。
マレーシア語で「アイス・テ・リマウ」はアイスティー
屋台料理はメニューに料金が表示されていないことが多く、とくにご飯系屋台は日替わりメニューなので料理名も料金も表示されていません。シーフードは時価なので、仕入れ値によって毎日値段が変わります。ですがご安心あれ、マレーシアの屋台で、外国人だからとボラれることはほとんどありません! なぜなら屋台は信用第一なので、一度悪い噂が立つと商売が成りたないから。また、日本人は現地で暮らす中国系マレーシア人と見分けがつかないので、地元の人のように扱われます。堂々とゆったりと、楽しんで下さい。
屋台の衛生面、トイレ
屋台の厨房は全公開しているので、衛生面はお客さん自らチェックできる
果物屋台。ときに試食ができる
また、マレーシアに限ったことではなく、辛い料理をガンガン食べて、キンキンに冷えたドリンクを飲んだらお腹がビックリしますのでご注意くださいね。残念ながら、屋台のトイレはまったく期待できません。トイレに行かなくてもいいように事前に済ませていきましょう。行きたくなったら、別の場所に移動するか、覚悟を決めて冒険するか。それもまた旅の思い出です。