小4でのつまずき(遅れ)が「小4ビハインド」
たし算、ひき算、かけ算、わり算と一通り学んだ後の4年生が算数のカギ
小学校の高学年(5・6年生)は、分数の計算に、割合や速さなど、算数が最も難しい時期とされています。そして、算数から数学へと呼び方が変わる中学校に入ると、正の数・負の数の計算や方程式など、格段に難しくなります。算数・数学は、小学校高学年から中学校にかけての時期が、最も難しいと思われています。
しかし、そこには誤解があります。確かに、算数・数学が難しくなるのは、5年生になってからでしょう。ところが、算数・数学を学ぶ上でも最も重要な時期は、実は小学4年生なのです。理由は、算数・数学の基礎基本が、ほとんど4年生までに集約されていると言っても過言ではないからです。
■小4までに学ぶ主な計算の例
・かけ算のひっ算:247×36
・わり算のひっ算:362÷12
・四則の混じった計算:12-6÷2
・小数のたし算・ひき算:2-0.56
・小数のかけ算・わり算:0.34×8、0.56÷7
・分数(同分母)のたし算・ひき算:1/5+2/5
算数・数学が苦手な子は○○ができない!
例えば、5年生で習う「3/8+1/6」という分数のたし算を考えてみましょう。よもや分母と分子をそれぞれたして「4/14」としないとは思いますが、この問題を解くのを困難にしている原因の一つが、「通分」ができないことです。8と6の最小公倍数は「24」ですが、8と6をそのままかけて、「48」で通分する子も少なくありません。中には「8×6=46」とする強者もいるから教える方は苦労が絶えません。
分数のたし算・ひき算が、なぜ「通分」を必要とするかは、一朝一夕で理解できるものではありませんが、少なくとも計算問題を解くのに必要とされる力は、「九九が素早く言えるかどうか」です。
ガイドが20年近く指導してきてわかったことは、算数・数学が苦手な子は、ほぼ確実に「九九でつまずいている」ということです。それは小学生に限らず、中学生にとっても同じことが言えます。ご存じの通り、「九九」は小学校2年生で学びますが、「3×7=27」のような誤答が目立つ子や、百ますかけ算が「3分以内」にできない子は、要注意と考えた方がよいでしょう。
次は、算数・数学のつまずきは小4がすべてだった!