手をかけることで愛着の増すわが家に
「原状回復にはこだわっていません」と青木さん。青豆ハウスでは、居室の壁を入居者が決められた塗料の中から自由に選んで、塗装できるようになっているほか、壁紙を選んで自らで貼るといった、カスタマイズの仕組みも取り入れています。もう一つの特徴は、居室やデッキのフローリングには岡山県西粟倉村のヒノキの間伐材を使用するなど、手をかけることで変化する木材を多用していること。与えられた家に住むのではなく、入居者が自ら手をかけることで家族とともに家も変化していくことを前提として作られているのです。
また、イベントで驚いたのは、各住戸の入居者が玄関に自分たちのコメントを書いてくれていることです。結婚式の参列者の指の指紋で木の形をつくり、それを玄関に飾っているカップルや菜園が見渡せる眺望の良さが気に入ったというカップルなど、それぞれのコメントが胸に響きました。
お披露目イベントの参加者は400人を超えたといいます。青豆ハウスの関係者や住宅業界の関係者だけでなく、地元の方々も数多く参加した結果です。見学中にお会いした地元に住むのご家族は、「建物が個性的だったので、何ができるのだろうと興味を持っていました。見学できると聞いて、見に来たんですよ」とガイドに語ってくれました。地域に見守られてこそ、コミュニティも生まれるというものです。
「賃貸住宅は誰のものか?」という冒頭の問いに対する答えは、「そこに住む入居者のもの」であってほしいものです。
●青豆ハウスのホームページ
http://www.aomame.jp/