新パワーユニット規定が波乱をもたらす
最初のページで述べた通り、今年からF1は「1.6Lターボエンジン+ERS(エネルギー回生システム)」のパワーユニットと呼ばれるハイブリッドマシンに変貌する。これまでもKERSによるパワーアシストで間接的なハイブリッドカーではあったが、今年は運動エネルギーに加えて熱エネルギーも回生することが認められている。つまりはエンジンの力だけなく、モーターの力も大いに活用しなければならない規定だ。また決勝レース中の燃料搭載量は従来およそ150kgだったものが、規則で100kgに制限され、エンジンの小排気量ターボ化とエネルギー回生により、より良い燃費で決勝レースを走りきらなければならない。これまで以上にエネルギーマネージメントが大切になってくる今年のF1。果たして完走率はどれほどになるのか?昨年と変わらない充分なF1らしいペースを保ちながらトップ争いは展開されるのか?実際にレースが始まってみないと分からないのが今年の特徴だ。
テスト走行するフェラーリF14T 【写真:Ferrari】
昼夜問わず稼働せざるを得ない各チーム
完走を目指す新F1マシンのレースの行方を心配そうに見守るのはパワーユニットを供給するメルセデス、フェラーリ、ルノーの関係者だけではない。シャシーを製作する各チームもパワーユニットの搭載は初めての経験。ウインターテストでは冷却に多くの問題を抱えるチームが続出した。1度マシンが止まってしまうと、これまで以上に複雑な構造になったF1マシンはやっかいだ。トラブルシューティングに非常に時間がかかり、土曜日のフリー走行(2回目)でトラブルが発生すると、午後の予選に参加できないマシンも出てくるかもしれないと予測される。F1バーレーンテスト 【写真:PIRELLI】
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