F1/F1(フォーミュラ1)について

可夢偉も参戦! 大変革のF1グランプリが始まる!(2ページ目)

F1新時代、ターボエンジン+エネルギー回生の「パワーユニット」の戦いがメルボルンから幕を開ける。ウインターテストでも充分に走り込めず、手探りの状態で迎える開幕。今年は大波乱のシーズンになることは間違いないだろう。開幕前のプレビューをお届け!

辻野 ヒロシ

執筆者:辻野 ヒロシ

モータースポーツガイド

新パワーユニット規定が波乱をもたらす

最初のページで述べた通り、今年からF1は「1.6Lターボエンジン+ERS(エネルギー回生システム)」のパワーユニットと呼ばれるハイブリッドマシンに変貌する。これまでもKERSによるパワーアシストで間接的なハイブリッドカーではあったが、今年は運動エネルギーに加えて熱エネルギーも回生することが認められている。つまりはエンジンの力だけなく、モーターの力も大いに活用しなければならない規定だ。

また決勝レース中の燃料搭載量は従来およそ150kgだったものが、規則で100kgに制限され、エンジンの小排気量ターボ化とエネルギー回生により、より良い燃費で決勝レースを走りきらなければならない。これまで以上にエネルギーマネージメントが大切になってくる今年のF1。果たして完走率はどれほどになるのか?昨年と変わらない充分なF1らしいペースを保ちながらトップ争いは展開されるのか?実際にレースが始まってみないと分からないのが今年の特徴だ。
フェラーリF14T

テスト走行するフェラーリF14T 【写真:Ferrari】

ウインターテストでも多数のマシンにトラブルが発生したことからも分かる通り、どのチームもすんなりと事が進むことはないだろう。パワーユニットは年間19戦で5基までが認められているが、果たして5基でシーズンを終えられるチームがどれだけあるのだろう? 燃費を良くし、パワーユニットをいたわるためにエコドライブを指示するチームが表れてくるかもしれない。そんなF1は見たくないのだが。

昼夜問わず稼働せざるを得ない各チーム

完走を目指す新F1マシンのレースの行方を心配そうに見守るのはパワーユニットを供給するメルセデス、フェラーリ、ルノーの関係者だけではない。シャシーを製作する各チームもパワーユニットの搭載は初めての経験。ウインターテストでは冷却に多くの問題を抱えるチームが続出した。1度マシンが止まってしまうと、これまで以上に複雑な構造になったF1マシンはやっかいだ。トラブルシューティングに非常に時間がかかり、土曜日のフリー走行(2回目)でトラブルが発生すると、午後の予選に参加できないマシンも出てくるかもしれないと予測される。
バーレーンテストundefinedボッタス

F1バーレーンテスト 【写真:PIRELLI】

特に序盤戦は、レースウィークに入ってから決勝レースが終わるまで刻一刻と戦況が変わって行くことが予想され、これまで下位に沈んできたチームが大躍進を果たすと言うのも充分に考えられる。そういう意味では見ている方は面白くて仕方がないシーズンになりそうな気もするが、チームにとってみれば、今年は本当に大変。パワーユットの信頼性が成績に大きく影響してくるのはもちろんだが、それ以上にそのパワーユニットをいかにうまく活用するか、あるいは不足分をいかに別の部分や作戦面で補えるか、など次から次へと出てくる課題にひとつひとつ取り組んで行かなければいけない。チームの開発部隊は間違いなく史上最も忙しい1年を送る事になるだろう。ただでさえ財政難のチームが多い昨今のF1。今年の激しいチームの戦いが単なる消耗戦にならないことを祈りたい。

次のページでは今年躍進しそうなチーム、勢力をご紹介。

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