鉄道/SL

「SL銀河」に乗って宮沢賢治の世界へ(2ページ目)

2014年4月12日からJR釜石線(花巻~釜石)での年間運行が始まる震災復興支援の観光列車「SL銀河」。蒸気機関車C58形239号機については度々目にしてきたが、旅客用車両4両については秘密のヴェールに包まれたままであった。このほど、内装がほぼ完成し、報道関係者向け試乗会においてようやく車内が公開され、釜石から遠野までの区間において「汽車旅」を体験することができたのでレポートしてみたい。

野田 隆

執筆者:野田 隆

鉄道ガイド

車内は座席と様々な趣向が凝らされたスペースが盛りだくさん

客室

レトロ風の洒落た客室内の様子


ステンドグラスがある座席

窓の上にステンドグラスがある座席

客室は、ノスタルジックなムード一杯のレトロ感あふれたもの。赤茶色をメインとした暖色系の座席、木目調の柱が好ましい雰囲気を出している。星座や南部鉄器を思わせる細やかな仕切りも大正ロマン風に仕上げている。各ボックス席の窓の上部には半円形のステンドグラスがあり、宮沢賢治が好んだ欧風スタイルを再現。彼の創り出した世界へ誘ってくれそうだ。

 

ミニギャラリー

「銀河鉄道の夜」ギャラリー

1号車の後半から2号車、3号車は客席だが、車端部には宮沢賢治のギャラリーと小さなソファーがあって、寛ぎのフリースペースとなる。各車両ごとにテーマが決めてある。
1号車(後半)=沿線ゆかりの作品展示
2号車=イーハトーブと賢治
3号車=銀河鉄道の夜、など

 

ユニークなイベントコーナー

月と星のミュージアム

1号車にある「月と星のミュージアム」


星空の映像

プラネタリウムに投影される星空の映像

1号車前半には座席はなく、「月と星のミュージアム」とプラネタリウムがある。列車内のプラネタリウムというのは、恐らく初めての試みだろう。数人しか入れない小部屋が真っ暗になり、天井に夜空が投影されるとともにオリジナルな「銀河鉄道の夜」の世界が9分程続く。時折鳴り響く、C58の本物の汽笛が効果満点となって夢の世界に漂っている気がしてくる。

 

SLギャラリー

4号車の「SLギャラリー」

展示棚

SL模型や賢治の本が展示される棚

一方、4号車は、車両すべてがフリースペースで、宮沢賢治ギャラリーとSLギャラリーが大部分を占める。大きなソファーで寛ぎながら、壁に飾られたセピア色の写真の数々を眺めたり、棚に置かれた蒸気機関車の模型や宮沢賢治の絵本などを読むことができる。売店も設置の方向で検討しているようで、「SL銀河」グッズや宮沢賢治関連商品を売ることになるようだが、まだ不確定の部分があるようだ。

 

次のページでは、釜石発の列車の旅をレポート。
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