数奇な運命を辿った「SL銀河」用客車
C58形に牽引される4両の青い車両は、元々は赤い50系客車として誕生。その後、ディーゼルエンジンを取り付けられ機関車なしで自走できるディーゼルカーに「変身」し、JR北海道の札沼線で活躍した。札沼線の札幌近郊区間が電化され、電車に取って代わられたため、職を失ったところ、「SL銀河」用として機関車に牽引される客車に復帰したものである。但し、釜石線には勾配のきつい区間があるため、ディーゼルエンジンを駆動して蒸気機関車をサポートするという前例のない運転方式をとることとなった。したがって、車両に表記されている形式は「キハ」とディーゼルカー(気動車)のままである。
4両編成の青い車体は、全く同じ青で塗装されてはいない。花巻寄りの1号車が明るい青となっているものの、釜石寄りの4号車に進むにつれて青が濃くなり、最後は濃紺になるというようにグラデーション塗装がほどこされている。デザインを担当した奥山清行氏(フェラーリなどのデザインで世界的に有名)によると、「夜が明け、朝へと変わりゆく空を表現」したとのことである。また、銀河をイメージして外装は星が散りばめられ、ところどころに星座をイメージした白鳥、さそりなどの動植物のイラストが数多く描かれた賑やかなものとなった。
では、車内をご案内しよう。