ダークヒーローが乗るバイクを髣髴させる シャドウファントム
現行のシャドウファントムの車体色はマットガンパウダーブラックメタリックという、つや消しの黒のみになっています。個人的には色のイメージもあり、アメリカンコミックのダークヒーロー・バットマンが乗るバットモービルという乗り物を彷彿とさせます。シャドウといえば、ホンダのアメリカンバイクカテゴリの車両として1986年の登場以来25年以上にわたりカタログに名前を連ねている名車です。シャドウクラシックにシャドウエアロ、シャドウスラッシャーなど、様々な派生車種が登場しましたが、あくまでもそれは、オールドアメリカンスタイルを感じさせる車両でした。
しかし、シャドウファントムは全身をブラックアウトし、前後ショートフェンダーを採用しています。デザインだけ見ても「異質」な空気を感じるシャドウファントムを一週間きっちり通勤で使用して試乗レポートいたします。
地を這うように駆け抜ける鼓動
私がこの車両にキャッチコピーをつけるのであれば、「地を這うように駆け抜ける鼓動」です。V型4ストローク・2気筒エンジンはアメリカンバイク特有の鼓動を感じます。アクセルを回すと、ドドドドドドドドドドと心地よいサウンドを奏でながら地面を蹴っ飛ばし、強いトルクで加速していきます。マフラーの音量の規制も厳しくなってきており、昔からバイク好きな人がマフラーの音を聞いて「よい音だな」と感じる純正マフラーは意外にも少ないのですが、シャドウファントムのマフラーはとても良いサウンドを奏でます。650mmというシート高も手伝い、少し車体を倒してカーブを曲がっていく感じは、地を這うように走るという印象がピッタリです。ホイールベースは1640mmある為、直進の安定性は抜群で多少横風が強いシチュエーションでも安心です。