犬が喜ぶマッサージの仕方!愛犬との生活に取り入れてみよう
犬が喜ぶマッサージの仕方
<目次>
犬が喜ぶいろいろなマッサージの仕方とは
犬にマッサージをする時には、自分も気負わず、ゆったりした気分で
現在ではこれらが入り交じり、単にマッサージという言葉で片付けられてしまうこともありますが、ここではわかりやすいように、皮膚や筋肉、リンパ、ツボなど刺激するものを、敢えてマッサージという言葉で統一して話を進めていきたいと思います。
最近では、犬用のマッサージ本や、DVDもあれこれ販売されるようになりました。ツボを刺激するもの、リンパに重点を置いたもの、アロマを使ったものなどそれぞれに特色がありますが、基本的には体がもともともっているバランスを整えて自然治癒力を高め、病気を予防したり、症状を緩和させたり、さらには精神的な安定をはかる効果も期待できる手技と言っていいでしょう。
この中で、Tタッチ(テリントンタッチ)は、1983年に馬へのボディ・ワークからヒントを得て、リンダ・テリントン・ジョーンズ女史により考案された手技です。それはどちらかと言うと「さする」に近く、皮膚の上を指先や手の平で1周+4分の1の円を描きながら少しずつ移動させて刺激する方法で、マッサージ的効果のみならず、しつけや問題行動の緩和にも応用されています。
前述のように、マッサージにもいくつか種類ややり方があるわけですが、どれを選択するにせよ難しく考える必要はありません。理論はわからずとも、手の平で優しく撫でてあげるだけでもそれなりの効果はあるもの。たとえば、お腹が痛い時に、患部に手をあてるだけでも少し痛みが和らぐ気がしませんか? マッサージは、手技云々以前に、触ってあげるということが基本なのではないかとガイドは考えています。
とは言いつつ、やはり犬の骨格や筋肉のつき方などについて、ある程度は理解しておくとより効果も期待できることでしょう。大事なのは「これからマッサージをするぞ」と気負ったりしないこと。オーナーさん自身がリラックスできていなければ、その緊張が犬にも伝わってしまいます。自分もリラックスし、楽しむ気持ちをもつところから始めましょう。
愛犬をマッサージするときの注意点
折角の気持ちいいものであるはずのマッサージが愛犬にとってイヤなものになってしまっては困りものです。体のどこでも触れるように慣らしてありますか? どこか触られるのを嫌がるようなところがあるなら無理強いはせず、触っても大丈夫なところ、愛犬が気持ちいいと感じそうなところから始めるようにしましょう。ただし、関節や背骨のトラブルがある、ケガをしている、手術後である場合などは、それなりに症状を緩和したり治療効果を上げたりすることのできる手技や運動方法があり、近年では動物の理学療法も注目されてきているので、そのような場合には、素人判断せずに、理学系にも明るい動物病院で一度ご相談ください。
また、たとえば首が曲がっているというシニア犬では、無暗に首周辺をマッサージしないほうがいい場合もあります。触るのを躊躇するような部位がある時には、同様に動物病院でご相談ください。
なお、愛犬が体調の悪い時にはマッサージは控えたほうが無難でしょう。無理はしませんように。
犬が喜ぶ基本的なマッサージの仕方
犬もマッサージをすることで体の血行をよくし、新陳代謝を促すとともに、精神的な落ち着きを期待することができる
犬が喜ぶマッサージ:背筋
背骨は体を動かすのに大事な役目を担っています。その大事な背骨に沿って、首の後ろから腰にかけて手の平で優しく数回撫で、次いで肩から前脚の先へ、腰から後ろ脚の先に向かって同様に手の平で数回撫でるようにします。これだけでも血流の循環を促したり、犬を落ち着かせたりする効果があるので、マッサージを始める際の準備段階としての手技として利用することができます。その後、手の平に丸みをもたせ、指を開いて、指先で軽く毛並みに沿って再度同じ場所をマッサージするのもいいでしょう。犬が喜ぶマッサージ:首
犬は四つ足で歩行する分、首の後ろは意外に筋肉が緊張しているもの。首の後ろを軽くつかんで揉む、または「1・2・3」と数えながら少し引っ張り上げて、同じようにゆっくりと元に戻すという動きを繰り返してあげると筋肉の緊張をほぐすとともに血行をよくし、循環機能を高める効果が期待できます。犬が喜ぶマッサージ:耳
犬は耳もよく使います。ということは、耳およびその周囲の筋肉も緊張しがちであるということ。指の腹を使って、親指と他の指の間に耳を挟むようにし、耳の根元から先端へ向かってスッと引っ張ったりして軽くマッサージ。耳の淵を指先でつまんで軽く刺激を与えたり、円を描きながら移動したりするのもいいでしょう。犬が喜ぶマッサージ:口の周り
口の周りも指先で小さく円を描きながら軽くマッサージします。Tタッチの手技においては口の周りへのタッチは大脳辺縁系を刺激し、興奮を沈め、吠え癖などの問題行動を抱える犬にも効果的だとしています。犬が喜ぶマッサージ:目の周り
眼窩の周囲、つまり目を囲んでいる骨の先端部分を指先で軽く一周撫でたり、小さな円を描きながら一周します。涙の多い犬では目頭付近を重点的に。指先が目の中に入らないように注意してください。犬が喜ぶマッサージ:お腹
胃腸が弱い犬や消化機能が低下しているシニア犬では、犬を抱き抱える形で手の平を使い、お腹を右回りに円を描くように撫でてあげると蠕動運動を促す効果があります。また、便秘や下痢がある場合には、犬を後ろから見た時、一番後ろの肋骨から数えて4番目の背骨の左右(一番後ろの肋骨と骨盤との真ん中より少し上くらい)にある大腸兪というツボ、そして骨盤のすぐ上にある背骨の左右にある小腸兪というツボを刺激すると効果があると言われます。ツボを刺激する際には、ゆっくり「1・2・3」と数えながら押し、同じく「1・2・3」とゆっくり戻します。強く押し過ぎるとツボを壊してしまうことがあるということなので、自分の体で試してみて丁度いい力加減を見つけてください。小型犬の場合、指の代わりに綿棒のようなもので代用することも可能です。犬が喜ぶマッサージ:背中
首の後ろと同様、背骨の上の皮膚を両手でつかみ、「1・2・3」と上に持ち上げて、また「1・2・3」と下に下ろします。これを数回繰り返します。犬が喜ぶマッサージ:足先
脚を伸ばしたり、曲げたりといった屈伸運動の他、足先をくるくると回したり、指の一本一本を軽く引っ張り、くるくる回してみたり、指先で小さく円を描くように刺激します。特に介護状態にあるシニア犬では筋肉が固まってしまいがちなので、足先のマッサージもして血行をよくしてあげたいものです。犬が喜ぶマッサージ:脚
脚の付け根から足先までの間を筋肉に沿って手の平で撫でたり、揉みほぐしたり、指先で円を描きながらマッサージをします。ついでに、各関節がどの程度曲がるのか観察し、だいたいのその可動域を覚えておくと、関節にトラブルがあった時、より早く気づくこともできるでしょう。マッサージは手軽に行えるもの。手の平の温かさからは単に刺激だけではなく、愛情も伝わるはずです。マッサージを通して愛犬の健康を守るのと同時に、お互いの絆も深められたらいいですね。なお、家庭で簡単にできる手技の1つを以下の記事にてご紹介しています。
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