/犬のしつけ・トレーニング

犬の無駄吠えや飛びつき癖を防ぐにはどうする?(3ページ目)

夢に描いた犬との楽しい生活とは裏腹に、時にはしつけの問題を目の前に頭を抱えることもあります。犬の引っ張り癖や飛びつき癖、無駄吠え……。そもそも、こうした問題が起こらないようにするにはどのように防止・対策したらいいのでしょうか。行動の問題について考えてみたいと思います。。

大塚 良重

執筆者:大塚 良重

犬ガイド


3.無駄吠えを直す

吠える犬

吠え癖がある場合、まずその原因を探ることから対処を。中には、散歩や運動が足らず、そのストレスから吠えている場合もある。


一口に無駄吠えといってもその原因は様々。何かが怖くて吠えているのかもしれませんし、退屈でやることがなくて吠えている、飼い主に何かを要求している、寂しくて吠えている、不安で吠えている、警戒や威嚇の意味がある吠え、留守番中に分離不安からくる吠え、高齢になって認知症からくる吠えなどいろいろあります。

不安や、何かが怖いのであれば、その原因になっているものを取り除くか、慣れさせることで対処が可能です。

退屈やストレスが原因になっているなら、それを穴埋めできるよう、散歩や運動量を増やす、オモチャや遊びを与えてあげるなどして気持ちを満たしてあげるといいでしょう。

飼い主に何かをして欲しいという要求である場合は、吠えられる度にその要求に応じていると余計吠えるようになってしまいますので、応じない態度をとることも大切です。

また、玄関のチャイムに過剰反応して吠えるというケースは、お悩み相談でももっとも多いものの1つですが、元来テリトリー意識のある犬にしてみれば、来客に吠えるというのはごく自然なこと。これを100%やめろというのも難しく、酷なことでしょう。理想は「知らせてくれてありがとう」という意味で「ヤメ」の一言で吠えるのをやめられるようにしつけておけばいいのですが、なかなかそれも難しいこともあるのかもしれませんね。

この場合もテリトリー意識が強くて吠えるのか、怖い気持ちがあって吠えるのかによって若干対処が違ってくる部分もあり、一概にこの方法がいいとも言い切れないところがあります。ここでは1つの例を挙げておきましょう。

チャイムが鳴って犬が吠えだしたなら、自分のクレートもしくはサークルの中に入るように仕向けます。そしてその中で大好物のおやつ、または中におやつを詰められるタイプのオモチャを与えて来客とのやりとりを済ませます。吠え続けることと食べる(遊ぶ)こととは両立しづらいので、チャイムが鳴るといいことが起こるというふうに、吠える行為とおやつを食べる(遊ぶ)行為とを徐々にすり替えていくようにするのです。多少根気のいるトレーニング方法ですが、これを繰り返すことによって過剰な吠えがおさまることがあります。

少々変わったところでは、飼い主さんが電話に出ると吠え続けるという犬もいます。吠え続ける愛犬を鎮めようとあれこれかまったり、時に叱ることがかえってその犬にとってはご褒美となっていて、この行為が強化されてしまったのかもしれません。

この癖に対処するために、Aさんは上記の玄関のチャイムに吠えるケースと同様の対処を試みました。電話に出る時にはとびっきりのオモチャを与えるようにしたのです。同じ悩みをもつBさんは、たまたま愛犬がお鍋の蓋の音が嫌いであったので、電話に出る時にはお鍋の蓋を手にもつようにしてみました。

Aさんの愛犬もBさんの愛犬もその後は吠えがおさまるようになったそうです。Aさんは問題を何か他のこととすり替える方法、Bさんは吠えたことに対してイヤな刺激が起こり、その行動が消されていく対処方法をとったという違いがおわかりいただけるでしょうか。

その他、夜間に吠えるというケースもあります。その原因としては、前出のようなものの他に、お腹が減って訴えているということもあり得るかもしれません。その場合には、ごはんを与えている時間をずらすとか、食べ物を入れられるオモチャを与えておくなどしてみてはいかがでしょうか。

行動問題を予防するには

犬との関係性

犬と暮らしたいと思う時には、犬はどんな動物なのかを知ろうと努力することも大事:(c)PRESS AND ARTS/a.collectionRF/amanaimages


飼い主として自分が犬の導き手であるという意識をもつように心がけたいものです。何も力でねじ伏せろということでは決してありません。むしろ体罰や強制的な態度が強いほど行動の問題を生んでしまうものです。中には自分の犬が叱れないという人がいますが、甘やかし過ぎも同様に愛犬をうまくコントロールできなくなる一因になります。
(褒めてしつけるトレーニング方法が広く受け入れられていますが、やはり必要であるなら叱ることも必要とする考え方もあります)

また、社会化が不十分である犬は問題行動を起こしやすい傾向にあると言われます。こうした問題を予防するといった観点からも子犬の社会化は重要な意味をもっています。これから犬と暮らすのであれば、社会化の時期をどうぞ大事にお過ごしください。

最後に。犬種の気質や特質を知らぬままに犬を飼い始めて「こんなはずじゃ……」と扱いに手をやくケースというのもままあります。憧れやビジュアルだけで犬を選ばずに、自分の性格や体力、ライフスタイルに合った犬種・犬を選ぶということも、ある意味では、行動の問題の予防にもなるのではないでしょうか。

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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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