少額投資非課税制度(NISA)
今年2014年から少額投資非課税制度(NISA)が始まりました。いままで、まったく投資をしてこなかった方が投資を始める大きなチャンスです。NISAは年間、100万円までの投資については非課税になる制度で、対象商品としては、株式、上場投信(ETF)、不動産投信(REIT)、株式型投資信託です。数回に分けて、NISA投資でおススメの銘柄をご紹介しています。
今回は、電子カルテで高成長が期待できそうなソフトマックス<3671>(東証マザーズ)です。
ソフトマックス<3671>(東証マザーズ)
ソフトマックス<3671>(東証マザーズ)は、鹿児島市に本社があるWeb型電子カルテと医療事務システムの会社です。■株式データ 2014年2月19日終値基準
株価 2552円
単元株数 100株
予想PER 29.47倍
PBR 3.05倍
予想配当利回り 1.57%
時価総額 約51億円
■株価の推移
・昨年3月に、公募価格1300円に対して、約4.23倍の初値5510円で東証マザーズに新規上場しています。その後、7200円の高値をつけました。しかし、その後は、基本的には右肩下がりの下落相場が続き、今年2月4日には2390円の上場来安値をつけています。
■注目ポイント
ビジネスモデル
・九州・鹿児島を地盤とし、医療会計・事務システムからスタートして、現在は電子カルテビジネスにも進出。医療会計・事務システムと電子カルテが2本柱となっています。
・同社の電子カルテの特徴はWebブラウザを利用していることです。他社の電子カルテシステムは、使用端末(PC、スマホ、タブレット)などにプログラムを事前インストールする必要がありますが、同社のシステムはそれが不要で納期を短縮することができます。また、医療機関にSE(システムエンジニア)を常駐させる必要がないので、稼動コストを低く抑えられます。
・Web型電子カルテシステムでは、ユーザー自身が、画面と情報パーツを自由にレイアウト可能になっています。ユーザー個々のニーズにあったカスタマイズが、特別なコストなしに保守費用内で対応可能です。
現状
・現在、電子カルテ業界は、富士通、NECといった大手IT企業と、専業のソフトウェア・サービス<3733>(東証JQスタンダード)の3社で約75%のシェアを持っており、同社は4位のシェアです。九州を中心に全国では約4%、九州に限ると約18%のシェアを持っています。
・電位カルテは、400床以上の大規模病院では、既に6割を超える導入率となっていますが、中・小病院では導入率が非常に低く、全体の約8割の病院が未導入となっており、開拓余地が多く残された市場です。
・カルテの法定の保存期限は5年間ですが、数十年間分のカルテを保管することもあり、電子カルテシステムは、リプレース(置き換え)が非常に困難なサービスです。逆に言えば、一旦顧客化してしまえば、既存顧客が他社製品に乗り換えられるリスクは小さいビジネスと言えそうです。
今後の展望
・今まで九州中心に営業を行ってきましたが、昨年東証マザーズへの上場をきっかけに、関東・東北地区の営業を強化しています。昨年は、仙台、秋田に営業所を設置しています。
・電子カルテのシェアが約4%と低く、まだ8割の病院が未導入な状態の今は逆にチャンスです。同社は、導入・維持運営コストが低コストで、個々のニーズに対応したカスタマイズが可能なことを武器に、積極的にシェアを取りにいっています。
・2013年12月期は、営業所設置や新規上場に絡む様々なコストが増えたことなどにより、利益は予想に達しませんでした。今期については首都圏・東北での営業が軌道に乗ることもあり、利益の上積みが期待出来そうです。
・個人が自らの医療・健康情報を医療機関から受け取り、自らが電子的な管理・活用を実現する「どこでもMY病院構想」が、国策としてありますが、これがアベノミクスの第3の矢の成長戦略で取り上げられることがあれば、一気に電子カルテシステムの普及が全国的に進むことになり、同社にも強いフォローの風となりそうです。
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