紐を結ばないで良いというだけで嬉しい
昔から変わらない、というと、何だかとても良い物のような気もしますが、変わって欲しいのに変わらない物もあります。例えば、傘なんか、ほんと何時になったら抜本的な雨除けが発明されるんだろうと思うくらい、そのシステムからして昔ながらです。靴ひもも、その一つ。一説によると、メソポタミア文明が発祥した頃には、既にあったといいます。それ以来、ずーっと、ヒトは靴ひもを結び続けてきたわけで、だから、それはそれは、紐の結び方も洗練されています。手先が不器用で、蝶結びさえ時間がかかるガイド納富は、難しい結び方なんか全く出来ません。それどころか、歩いている内に、簡単に紐は解けてしまいます。しっかりと締めて結ぶと、歩いていて痛くなるし、かといって紐の無い靴は、足にフィットするサイズがなくて探すのが難しいのです。ゴム紐を使った事もありますが、あれは履く時が結構大変だし、意外に切れやすかったりもしました。
紐ではない、パーツである事の新しさ
だから、この「Elastic Lacing system HICKIES」を見つけた時、即座に購入、すぐに試してみました。何といっても、靴紐のように、全部がひと繋がりになっていない、というのが魅力だったのです。ガイド納富は、靴ひもの複雑な交叉が苦手でした。緩めたいと思って痛い場所を引っ張ると、他の所が締まってしまう、その連鎖が面倒で堪らなかったのです。もちろん、それは、ガイド納富が紐そのものを苦手としていただけで、紐だからこそ使いやすい、という方も多かったとは思うのですが。繋がっていないということは、部分部分での調整がとても楽だという事です。それが使う前から分かったわけで、即買いしてしまったのも、その点と、装着状態で脱ぎ履きが出来るという点でした。その二点がクリアされているのなら、それはもうガイド納富のために作られているようなものです。靴ひもの代替品としては、1890円と高価ではあるのですが、靴が履きやすくなるのならば、それは安いと言っていい値段でしょう。
装着方法で自在にテンションをコントロール
実際に使ってみると、まず、意外に色んな付け方があるのに驚きました。単に、対になっている穴に左右から差し込んで、真ん中で留めるだけかと思ったのですが(もちろん、それで良いのですが)、その基本の付け方を中心に、よりキツく締める付け方と、より緩くする付け方があり、最初の、いわゆる初期設定的な部分は、それなりに面倒ではあったのです。なので、思わず気持ちが挫けかけましたが、まずは、普通に、標準の付け方で履いてみました。それで、何の問題もなく、ガイド納富が普通に靴ひもを結ぶよりも、遥かにフィット感も良い感じでした。ただ、脱ぎ履きが多少手間取る感じだったので、一番上の穴には何も通さない事にしました。思い出してみれば、靴ひもも、そこの穴には通していなかったのです。あと、しばらく歩いていると、ややキツメに締めたい部分と、緩くしておきたい部分があることに気がつきました。というか、これは、前から思ってはいたのですが、スキル的に無理だと判断して放置していた部分です。
靴のフィット感の向上で、歩きやすさが格段にアップ
基本的には、緩めが好きで、要所要所だけピシッと締まっている、というのがガイド納富の好みのフィット感のようでした。ということで、三本に一本を標準の付け方にして、その前後は緩い付け方にしてみました。このパターンは、足の甲の部分と、足首の部分それぞれの一部だけが、ちょっと締まっているというスタイルで、足に負担をかけずに、でも靴は足の動きにきちんと付いてくるという感じです。このスタイルにした翌日は、大雪だったのですが、この「HICKIES」によるフィット感のおかげで、一度も転倒せず、快適に歩く事が出来ました。それには、ガイド納富も本当にビックリしました。雪道を転ばずに歩いた事がほとんどない、九州育ちでしたから。さらに、数日、歩いている内に、本当にフィット感が増します。特殊エラストマーによる、伸縮性と強さは、確かに靴ひものような、フレキシブルに状況の変化に対応しなければならないポジションで使うのに向いた素材のようです。「HICKIES」は片方の穴に、もう片方の硬い樹脂パーツを通して留めるのですが、この穴のサイズに比べ、留め具のパーツがかなり大きいのです。でも、ぐぐっと引っ張ると穴は大きくなって、パーツにスッポリと嵌まります。この伸縮性と、戻る力をみると、この素材の面白さがよく分かります。引っ張りに対して、元の長さの二倍になるくらい引っ張っても大丈夫という素材なのだそうです。
ガイド納富の「こだわりチェック」
買って、使い始めて、いきなり手放せなくなる、というグッズは時々ありますが、こんなにも手放せなくなるグッズは珍しいでしょう。これがあると思うと、フィット感部分に対して余裕ができるので、靴選びの選択肢も広がりますね。そして何より、歩いてて解けないというのは、本当に良いです。そして、まだ、そういう目に合ったわけではないけれど、もし、どこかが切れても、それは6本の内の1本ということで、特に問題なく歩けると思うのです。その安全性の高さも魅力。そして、カラーバリエーションが豊富なのも、靴選びを制限しないし、色を変えて楽しめるから嬉しいところ。本体のカラーは11種類、固定パーツの色も11種類、これを組み合わせて、合計15のカラーバリエーションが用意されています。購入した店舗の方の話では、2本づつ、違った色で構成したアソートパックが人気とのことでした。そこまで派手に行かなくても、各パッケージには、2本、オマケとして別のカラーが入っているので、それを使って、ワンポイント的に遊ぶ事も出来ます。留め具部分だけ派手な色にするとかも可能。そういう小さい所で遊べると、つい嬉しくなるのは小物好きの性。良く考えてあるなあと思いました。
<関連リンク>
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