なぜ、新築マンションが売れているのか?
2014年に入っても、新築マンションの売れ行きは好調のようだ。2008年前後の低迷期をいち早く脱すると、以降ほぼ一貫して順調に推移している。理由は何か。首都圏で8万戸・9万戸が当たり前だった1990年代後半~2000年台前半に比べると、ここ数年4万戸台・5万戸台と供給戸数がそれほど多くないことも理由の一つかもしれない。しかし、個人的には立地条件や商品特性など“ユーザーに評価される”新築マンションの供給が多いからに他ならないと感じている。都心部や閑静な住宅地、あるいは人気沿線・駅を最寄とするもの、天を突くかのようなタワーマンションや重厚なつくりの低層マンション。“これは”と思うようなものが目に付く。中には、「消費税増税に伴う駆け込み需要ではないのか」という意見も見受けられるが、完成前の販売“青田売り”の多い新築マンションにおいては、現在供給されているものの多くが増税後の価格であることを考えれば、2014年に入ってからの好調ぶりを説明できていない。もちろん住宅ローン控除の拡充などの消費税増税対策が講じられていることもあるだろうが、やはり立地条件や商品性の高さが“売れる理由”なのだと思う。
「学芸大学」というポジションがもたらすもの
さて「ザ・パークハウス 学芸大学」である。実はこの稿を記している現段階(2014年2月)で所在地を除き、ほとんどの情報は得られていない。それでも、このプロジェクトに大きく期待するのは、東急東横線「学芸大学駅」最寄りというポジションにある。人気沿線・人気駅であろうことは誰しも異論無しと思うが、ならばなぜ人気なのか。まず第一に挙げられるのはアクセスの良さだろう。東急東横線利用で「渋谷駅」まで直通6分という便利さ。通勤で考えれば相当に恵まれた条件と言えるし、もちろんショッピングや食事・趣味・レジャーなど様々なシーンを楽しめる「渋谷」に近いのは嬉しい限りだろう。加えて、これまで“若者の街”としてのイメージの強かった「渋谷」ではあるが、最近では駅周辺を中心に再開発事業が進み、2012年には「ヒカリエ」もオープン、今後の様々な計画と併せて、より一層“大人も楽しめる街”への期待もできるかもしれない。
また、昨年実現した東急東横線の東京メトロ副都心線への乗り入れもある。これによって「新宿三丁目駅」や「池袋駅」へ直通で行けるようになった。「渋谷駅」での山手線への乗り換えは結構面倒なもので、特に通勤で乗り換えが必要だった人たちにはメリットが大きいように思う。もしかしたら、新宿・池袋方面への勤務者が東急東横線の住まいを検討することが今後増えてくる可能性もあり、住みたい沿線としての人気はますます高まるかもしれない。さらに付け加えると、東急東横線を「渋谷」と反対方向に向かえば「自由が丘」があり、さらにその先は「横浜」・「みなとみらい」がある。それぞれを説明するまでもないが、こうした人気の街が連なっているからこそ、多くの人が東急東横線沿線に住みたいと思うのだろう。
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