併設大学の有無や、内部進学率を選択の基準に加えてみるのもいいでしょう。
(1)ほとんどが系列大学へ進学できる「純付属校」
ほとんどの卒業生が系列の大学へ推薦で進学できるいわば「純付属校」タイプです。レベルの高い一部の限られた高校がこのタイプに当てはまります。(「純付属校」タイプの学校例)
■慶應義塾高校
福澤精神を基盤とし、慶應義塾の目的に沿って、独立自尊の気風を養うことを教育目標とする。
■慶應義塾女子高校
「独立自尊」をモットーに、自由で自主的な精神を養い、創造力豊かな女性を育てることを目標としている。
■早稲田大学高等学院
早稲田大学の直系附属高校として、60年を越える伝統を誇る。教育内容はハイレベルだが、校風は自由。
■明治大学付属明治高校
「独立自治」「質実剛健」の建学の精神のもと、受験勉強にとらわれない伸び伸びとした校風。明治大との高大連携が活発。
■青山学院高校
キリスト教信仰を教育活動の基盤としており、愛と奉仕の精神をもって社会に貢献する人間を育成する。
■中央大学附属杉並高校
「真、善、美」が校訓。多くの友達や先生と出会い、「やりたいこと」をしっかりと考えて挑戦している生徒が多いと評判。
(2)付属校でも他大学へも進学可能な「半付属校」
併設する大学への内部進学を基本としながら、他大学への進学の道もあるという「半付属校」タイプです。内部進学の生徒とは他に「他大学受験コース」を設けている学校もあります。なかには併設大学への内部進学推薦権を保持しながら、他大学受験をすることができる高校もあります。(「半付属校」タイプの学校例)
■国際基督教大学高校
生徒一人ひとりの人格が尊重され、帰国生の多いキャンパスは自由で国際的感覚にあふれている。
■明治大学付属中野八王子高校
文武両道の実践を大切に、自ら学ぶ力を育む自然環境に恵まれた高校。現在では80%以上の生徒が内部進学している。また、国立大や他の有名私大に進学する卒業生も多い。
■明治学院高校
伝統あるキリスト教主義の学校。英語教育に定評がある。生徒の4割程度が明治学院大学へ進学し、近年は他大学進学傾向が強い。
■日本大学習志野高校
日本大学の建学の精神に基づいて全人教育を行い、国家および社会に有為な人材の育成を目指している。全国の日大付属高校の中でもトップクラスの進学実績を誇る。日本大学理工学部船橋キャンパスと併設して建てられている。
(3)他大学の進学に積極的な付属校、「半進学校」
付属高校でありながら、じつは併設大学よりも他大学へ進学する生徒のほうが多いという、ほぼ進学校に近い「半進学校」タイプです。付属校でありながら、他大学受験のためのしっかりとしたカリキュラムが設けられ、大学進学だけでなく将来の職業まで考えさせられる指導をする高校も多いです。(「半進学校」タイプの学校例)
■東邦大学付属東邦高校
「自然、生命、人間」の尊重を建学の精神に、心の向上を目指す明るい学園を築いている。千葉県内の私立の中では珍しい「半進学校」タイプの学校。
■成蹊高校
豊かな自然環境と自由な校風のなか、本当の自分を見つめながら、本物に触れ、本物を知る教育を心がけている。例年、約3~4割が系列校の成蹊大学に進学し、その他の多くは国公立大学や私立大学へ進学する。
■二松學舎大学附属高校
東京千代田区にある、夏目漱石などの多くの文化人が通った伝統校。学校と家庭が一体となって、社会に役立つ人間形成を目指していく教育方針。
(4)系列の大学がない中高一貫である「進学校」
併設大学を持たず、中高6年間のカリキュラムで学習をさせて大学受験に向かわせる「進学校」タイプの学校です。私立高校の多くがこの「進学校」タイプにあてはまります。高校入試で募集をしない「完全中高一貫校」や全国トップクラスの東大合格実績がある高校にこのタイプが多いです。(進学校一例)
■開成高校
東京大学合格者数が32年連続でトップ(1982年-2013年)。中学受験では麻布中学校、武蔵中学校とともに「男子御三家」とされている。現役生は国立大学志向、医学部志向が強い。
■桐朋高校
桐朋学園男子部門の一つであり、桐朋女子中学校・高等学校と桐朋学園音楽部門である桐朋女子高等学校とは併設校に当たる。毎年6月上旬に行われる学園祭は有名で、来場者数の合計はおよそ1万人。
■巣鴨高校
伝統の文武両道のもと学問、体育に励み、精神面、肉体面で優れた「真のエリート」の養成を教育方針としている。「全教科必修主義」、「全校有段者主義」を掲げ、卒業までに柔道または剣道で初段の実力を培うことを目標にしている。
さて、いかがでしたでしょうか。特に東京では候補の学校が多いだけに志望校選びに悩むかと思います。併設大学の有無や、内部進学率を選択の基準に加えてみるのもいいでしょう。