都立高校には2種類の入試問題がある
独自入試は共通問題と同じ50分という制限時間のなかで長文を読み切って解答することが求められています。
「独自問題」入試を採用している特定の学校以外は共通問題です。また、理科・社会は「独自問題」であっても共通問題です。国際高校は英語のみ「独自問題」入試となっています。教科書レベルの比較的平易な問題で構成されています。
ただ、レベルの高い学校になると基本的な問題であるだけに高得点争いになります。ケアレスミスをなくし、「基本的な問題を着実に正解する力」が求められます。共通問題だから入学しやすいわけではありません。
「独自問題」入試は共通問題と違って低得点争いになることが多く、都立日比谷高校や西高校の数学などでは、合格者平均が30点を割ることもあるくらいです。「独自問題」入試では「できそうな問題から優先的に解く要領」が必要です。
独自問題の特徴1…問題文の文章量が多い
「独自問題」入試は問題文の文章量が非常に多いことが挙げられます。たとえば日比谷高校の2013年度入試の国語の総文章量は1万2000字を超えました。原稿用紙に換算するとじつに30枚以上です。英語の長文も共通問題とは比較にならないほどの量の多さで、共通問題と同じ50分という制限時間のなかで解き切ることが求められています。独自問題の特徴2…記述問題が多い
「独自問題」入試のもうひとつの特徴は記述問題が多いことです。私立高校の中にも記述問題を多く出題するところもありますが、それよりも都立高校の「独自問題」入試問題は記述問題が圧倒的に多く、指定記述文字数も多いのです。たとえば共通問題の数学の解答用紙はA3くらいの1枚ですが、「グループ作成校」入試の解答用紙はA3サイズ3枚。解答の記入スペースが広く設けられています。証明や計算の途中式を記入することが求められています。国語でも共通問題では作文を除けば50字程度の記述問題が2問程度ですが、「独自問題」入試では80字の記述問題を3題出題されるなどといったように、各科目ともに記述問題の割合が多くなっています。
独自問題の特徴3…問題の難易度が高い
そして独自問題は当然のことながら難易度が高いのが最大の特徴です。共通問題であれば教科書レベルの出題なので、学校の授業を理解し、家庭学習をしっかり行えば高得点を取ることも可能です。一方、「独自問題」入試では教科書レベルを超える問題ばかりで構成されています。都立高校の「独自問題」入試に対応できる知識と思考力、記述力、そしてスピードが要求されるので、中学の早い段階から「独自問題」入試に対応しているカリキュラムで指導をしている塾で学ぶことを検討するのがいいでしょう。
さて、いかがでしたでしょうか。
都立高校の「独自問題」入試は高い総合力が求められますが、そのための学習は、将来の国立大学の二次試験にも通じています。先を見据えた勉強を今から始めることで、今後の選択の幅が広がることでしょう。