急落の日経平均を尻目に好調な新興市場
新興国通貨ショックで思わぬ冷や水、日本株は大丈夫なのか??
しかしその一方で新興市場は元気です。たとえば東証マザーズ指数は1月23日に昨年6月以降の高値となる1042.14ポイントをつけました。その後、若干の調整はあったものの1月31日時点では979.53ポイントで推移。日経平均とは異なり、上昇トレンドが続いて調整入りにはほど遠い状況です。同様にジャスダック指数も1月23日に昨年来高値である108.69ポイントをつけ、調整したものの、1月31日時点では104.91ポイントをつけており、こちらも調整入りというにはほど遠い地点です。
新興市場が強い背景には資金の循環があると思います。円安主導で昨年11月から上昇してきた日経平均ですが、その後、軟調な米国の12月の雇用統計などからQE3のペースが緩やかになるのではないかといった懸念が出て円安の勢いが止まると同時に、日経平均も同様に上昇の勢いに陰りが。そして、その資金が向かったのが、日経平均に比べると為替の影響を受ける比率が少なく、12月後半からの上昇の点で出遅れていた新興株だったという流れだと思います。
新興株は今後も上昇が続くのか?
それでは今後、新興株は上昇が続くのかと言うことですが、基本的には2014年内は強気で見て良いと思います。理由は、日本が異次元の金融緩和を継続する一方で、米国は量的緩和政策を縮小していくわけですから、基本的に今後の為替のトレンドは円安が継続する筈だからです。そして、何が一番良い投資対象かといえば、今回のような金融相場の上では新興市場が一番だと思います。下記は2013年1月4日の株価を1とした日経平均と東証マザーズ指数、ジャスダック指数の株価推移表ですが、基本的にはどの指数も右肩上がりとなる中で、上昇率が最も高いのは東証マザーズ指数となっています。
金融緩和を行うと、株価は上昇していく傾向があります。簡単に理由を書くと資金が溢れる状況になり、そのお金が株や不動産に廻る傾向が高いからです(もちろん、通貨安になることもポイント)。2010年以降の米国株がそうでしたし、日本でも2001年後半から小泉政権下で行われた金融緩和の後に2005年の新興国バブルが発生しました。今回の異次元の金融緩和でも、日本の株価と不動産が動いていますが、異次元の金融緩和が少なくとも年末までは続く以上、株高も続くと思います。
ただ、大きく上昇するのは秋以降になると見ています。そしてそれまでには、当然調整も入ると思います。理由としては、日本は4月に消費税増税を控えていますし、米国経済もまだまだ本格的には回復しておらず、ときおり2013年12月の雇用統計のような悪い数字が出てくるであろうからです。結局のところFRBは量的金融緩和の縮小(テーパーリング)を比較的緩やかに行わざるをえないのでは無いでしょうか。しかしそうすることによって、米国経済が本格的に立ち直れば来年にはいよいよ利上げが視野に入ってくるかと思います。おそらく今年の秋以降には米国の利上げが視野に入ってくるのでは無いでしょうか。利上げが視野に入ってくると日米の金利差が開くことになり一層の円安が進みます(お金は金利が高い方へ流れるため)。また、米国株のアノマリーとして5月が天井で秋まで下がり年末に向けて上昇していくという流れもあります。
したがって、今後の株の買い方としては、新興株の関連するETFやファンドを下がったところ下がったところで拾っていき年末の上昇に備えるというスタンスが良いのではないかと思うところです。
参考:日本株通信
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