グラフはいつもと同じく縦軸が記事を書いている時点で最新の1月22日~1月28日の視聴率、横軸は初回視聴率と最新視聴率との差で、初回視聴率はなにも見ていない段階での期待値だから、初回視聴率との差は最初の期待からどれだけおもしろかったか、またはつまらなかったかを示すはずです。
視聴率グラフ
炎上失敗
今回はやはり『明日、ママがいない』を最初に取り上げるべきでしょう。物議を醸し出しているこのドラマ、議論を起こすことで話題になることも狙いではないかといわれていますが、第二話は視聴率0.5ポイント減で、二位グループ止まり。話題になったからはじめて見たという人以上に、第一話を見た人が二話を見なかったわけで、炎上がヒットにつながっていません。
前回のガイド記事
・『明日、ママがいない』は野島伸司「風」ドラマ
でも書きましたが、やはり『家なき子』が大ヒットした時代とは違うようです。
このドラマに関してのガイドの見解を明らかにしておきますと、問題なしとはいいません。しかし放送中止にするというのはかなり重大な事態で、そこまでのレベルではないでしょう。
しかし「最後まで見ていただければ、私たちの意図が理解していただける」というだけでは説明不足かつ自分たちに都合のいい主張で、批判側は納得しないでしょう。
最後まで放送するか、放送中止するかの二者択一的議論になってますけど、その中間というのもあるはず。1,2週放送を休止して、その間に検証委員会をつくるとか、話し合いをして修正点を出していくという手はあるでしょう。その上で放送を再開して仕切り直せば、印象もよくなり、いい再スタートがきれるんじゃないでしょうか。
このまま最後まで放送したとすると、局全体のイメージにも影響しそうです。
おかげでもうけたのは
『明日ママ』問題で儲けたのは最新の第三話が視聴率アップした『緊急取調室』。容疑者役が安達祐実、ストーリーは「ドンキ」で夫を殺害、このままでは一人息子が『明日、ママがいない』状態になるというもの。多くの人が『明日ママ』問題により『家なき子』のことを思い出して見たに違いありません。安達祐実の熱演もあり、正直ビミョーだった1,2話より内容もよかった。その成果で、この時点のトップに踊り出ました。
安達祐実をゲストにこの内容で放送するというのは、狙ったのか偶然かが気になります。『明日ママ』が『家なき子』ぽいドラマになることを察知してつくったのならすごいし、偶然だとしても絶好調のテレビ朝日、ツキもあります。
生のアクション
『緊急取調室』がジャンプアップしてきて並ばれましたが、それまでのトップは『S-最後の警官-』。魅力的なのはアクション。最近はCGとかワイヤーを多用したアクションが多いのですが、『S』は神御蔵一號(向井理)の武器が元ボクサーの拳など生ぽい。
一番印象的なのは初回、機動隊員を助けるために一號が盾を二重にして飛び出し、降り注ぐ銃弾に耐えるところ。
人間ドラマ的にも蘇我伊織(綾野剛)とのぶつかりあいが見ごたえあります。
気になるのは警察庁特殊急襲捜査班・NPSが「犯人を生かしたままの確保」を目的としている割には、犯人の悪逆非道さを描くだけで、その後に触れられないこと。犯人の背景とか裁判になったとかあってもよさそうですが。NPSは犯人がどうあれ生かすんだということでしょうか。『緊急取調室』で犯人を丸裸にしてほしいところですが。
その他注目作
あと合格ラインにいるのは『医龍4』と『失恋ショコラティエ』のフジテレビの二作。『医龍4』は相変わらず手術で盛り上がってます。同じ病院ものでも『バチスタ4 螺鈿迷宮』は手術が少なくなってるし、『Dr.DMAT』はどっちを助けるか悩んでて爽快感がない。やはり外科手術がポイントでしょう。
『失恋ショコラティエ』は、予想通り新しい世代のラブコメをつくっている、のだと思います。主人公とヒロイン、どちらも共感できないキャラというのは新しい。ガイドはその新しさに、正直ついていけてないんですが。
あと注目は『三匹のおっさん』。テレビ東京ドラマだとこのグラフの範囲内に入っているだけで勝ったも同然。ご近所の問題を解決する昔懐かしい内容。祖父と孫との交流や『渡る世間』的嫁姑関係もあり、広い年齢層で安心して見ていられるドラマです。