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“空気の質”が鍵!家で快適にすごすための換気の種類(2ページ目)

春が近づくと花粉、黄砂、PM2.5の飛来や新居でのシックハウスなど、健康面の心配ごとが増えてきます。せめて家の中だけは安全な場所にしませんか。それらを防ぐための住まいの換気方法をご紹介しましょう。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド


換気口のある家の問題点

リビング、寝室など居室の壁に換気口がある場合は第一種換気法の家です。

【写真1】リビング、寝室など居室の壁に換気口がある場合は第一種換気法の家です。

例えば、花粉や黄砂、PM2.5を家の中に持ち込まない方法としては、家に入る前に衣類をはたき、付着している物質を落としてから室内に入ること、春先などのピーク時は洗濯物は室内干しにし、窓を開けての換気も避けるといった対策が推奨されています。

とはいえ、現在多くの住宅では居室の壁に「換気口」(【写真1】)がついています。ここから直接外気を取り込んで家の中の換気を行っているので、家に入れたくない飛来物なども一緒に入ってきているのが現状です。また、この換気口から冬は冷たい外気が、夏は暑い外気が直接入ってくるため、冷暖房効率が落ち、省エネ性の観点からもあまり好ましいとは言えないのです。

住まいの換気方法は3つある

現在、住宅の換気方法には「第一種換気」「第二種換気」「第三種換気」の3つの方法があります。上記のように居室に換気口があるケースは「第三種換気」方法となります。この第三種換気方法は戸建て住宅、マンション問わず近年主流の換気方法です。この機会にご自宅の現在の換気方法を確認してみてください。
住まいの換気法。最も多いのが第三種換気法。これから家を建てる場合は第一種換気法も検討しよう。

住まいの換気法には3通りあり、最も採用されてきたのが第三種換気法。



高断熱・高気密住宅に対応する「第一種換気」方法

これに対し、給気も排気も機械でコントロールする方法を「第一種換気」方法と呼びます。この「第一種換気」方法を採用している家は、居室の壁に換気口を設ける必要がありません。最も換気を制御しやすく、現代の高断熱・高気密住宅に適した換気方法と言えます。

この換気方法なら、給気の部分にエアフィルターをつけることで花粉などの飛来物やゴミなどを取り除くことができ、また給気・排気の部分に熱交換器をつければ冷暖房の効果を上げることも可能になります。第三種換気方法に比べやや工事費が高くなるかもしれませんが、これからの住まいにはぜひ取り入れたい換気方法です。

住宅の空気環境の大切さ

アレルギー体質の人が増え、その原因となる物質が蔓延する中、せめて住まいの中だけは安全な空気環境を保っておきたいですよね。省エネ性の観点からも、外気がじかに入ってくる方法は避けたいものです。住まいの換気方法は、変えるのが難しい部分なので、最初の計画が肝心です。

これから家を建てる・買う人は、ぜひ住まいの換気方法についてもじっくり検討し、住まいの空気環境について、納得のいく方法を選ぶようにしてください。

【参考サイト】
環境省花粉情報サイト 
NHK備える防災「PM2.5や黄砂が健康に及ぼす影響」

【関連記事】
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