決算整理での仕訳
第5問は処理自体は多いですが、そこで行うべき処理はある程度パターン化することができます。決算で行うべき代表的な仕訳について1つずつ確認しておきましょう。
1. 売上原価
仕 入 ××× / 繰越商品(期首分) ×××
繰越商品(期末分) ××× / 仕 入 ×××
2. 減価償却
減価償却費 ××× / ○○減価償却累計額 ×××
3. 貸倒損失・貸倒引当金
前期以前発生の債権についての処理
貸倒損失 ××× / 売掛金 ×××
貸倒引当金 ××× /
当期発生の債権についての処理
貸倒損失 ××× / 売掛金 ×××
この2つの処理の違いは大丈夫でしょうか。
前期以前発生の債権については、前期の決算整理で「貸倒引当金」が設定してあります。ですから、当期にこの債権が貸倒れたのであれば、債権を取り崩し、債権額と貸倒引当金設定額の差額を貸倒損失として処理します。
それに対して当期発生の債権についてはまだ貸倒引当金の設定はされておりませんので、当期中に貸倒れてしまった場合には、その貸倒額の全額を貸倒損失として処理します。
また、当期末に貸倒引当金を設定する際には、貸倒損失として取り崩された部分は設定対象となりませんので注意しましょう。
4. 見越し・繰延べ
見越しとはまだ受け取れていない収入や支払っていない費用などを計上することであり、繰延とはすでに受け取った収入やすでに支出った費用を当期ではなく翌期以降に繰り越す処理です。
当期分に対応した収益・費用を計算するためには重要な処理ですが、「前払」、「前受」、「未払」、「未収」などの勘定科目があり、どれが見越しのものでどれが繰延べのものなのか混乱してしまう方もいらっしゃるかと思います。
「くまのみみ」と覚えてみて下さい。
繰延べ(く)には、前払や前受(ま)を使い、見越し(み)には、未払や未収(み)を使いますのでゴロで確認できます。
対策
上記にも述べたように決算関係の処理はパターン化されている側面がありますので反復練習でその処理を身に着けるのがよいといえます。第5問及び第3問は、処理に時間がかかる反面、配点も高く合否に大きな影響を与える問になります。そのような問はある程度時間をかけてじっくりかけて解いて頂きたいですので、この2題は他の問を早々と終わらせた後に手を付けることをおすすめします。