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新興国通貨急落で世界経済に暗雲!日本株は大丈夫?

2013年後半から好調を維持していた日本株ですが、2014年1月23日(木)に風雲急を告げるように状況が一変。キッカケはアルゼンチンペソの急落ですが、その背景と今後日本株がどうなるのかについて考えてみましょう

戸松 信博

執筆者:戸松 信博

外国株・中国株ガイド

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新興国通貨急落で世界経済に暗雲!日本株は大丈夫なのか?

今回の急落の発端となったアルゼンチンペソと米ドルの為替レート。

今回の急落の発端となったアルゼンチンペソと米ドルの為替レート。

2013年後半から好調を維持していた日本株ですが、2014年1月23日(木)より風雲急を告げるように状況が一変しました。この日の朝の日経平均は80円ほど高く寄って順調に始まりまったのですが、後場に相場が一変しました。まず悪材料の先陣を切ったのは中国の経済指標で、HSBC中国製造業PMIは半年ぶりにニュートラルを示す50を割り込み、香港、上海株が下落しました。そして日経平均も後場に急落。1月23日(木)の夜にアルゼンチンが下落する自国通貨(アルゼンチンペソ)を買い支えられないことを発表すると、アルゼンチンペソが一日で20%近くも急落。アルゼンチン同様、積み重なる経常赤字によって(介入資金となる)外貨準備の少ないトルコリラ、南アフリカランドも、年初から下落してたところ一段安になり、米国のニューヨークダウは175ドル安、NY外為においても新興国通貨安の反動で1ドル=102円98銭の円高水準まで円が買われました。

翌日の1月24日(金)も円高と米国株下落の流れを受け継いで日経平均は▼304円もの大幅安で続落。さらに東証大引け時では103円28銭であった為替は、夜に円高がさらに進み102円28銭まで円高となりました。24日(金)夜の米国株市場では、比較的堅調であった米国株も大きく崩れるもの目立ち、ニューヨークダウはこの日に▼318ドルを超える、2014年一番の下げ幅となりました。

日経平均以外の株価指数は意外と強い状況を保っている

米国FRBがこの危機に対してどう動くかが今回のキーポイント

米国FRBがこの危機に対してどう動くかが今回のキーポイント

一方、日本独自の要因としては安倍首相が法人税改革着手にダボス会議で意欲を示すなどプラス要因もあったのですが、世界の株式市場の雲行きが一変したことに押され、2014年の日経平均は年初から3週続落となり、累計の下げ幅も900円となりました。外国人の日本株売り越しが年明けから2週続いております。

ただ、日本株が今後どうなるかの相場判定は相当悩ましいところにあります。日経平均のデータだけ見れば、1月24日(金)に3兆円を超える今年最大の売買代金(東証一部)で304円安となった時点でトレンドは「下落転換」とすべきです。数字だけ見れば大変悪い状況です。しかしながら、それ以外の株価は意外にも堅調です。まず新興市場は元気です。1月24日(金)も東証マザーズ指数は上昇しており、ジャスダックも小幅な調整に留まっています。東証マザーズ指数とジャスダック指数はどちらも下落転換とするにはほど遠い情勢です。そして東証一部全体を表すTOPIXを見ても、金曜時点では50日移動平均線を割り込むことなく留まっています。従って現状、日本株の総合判断はギリギリ「上昇トレンド継続中」といったところだと思います。ただし、今後にさらに(商い伴った)一段安ともなれば、直ちに「下落トレンド」に突入したと判断する必要があります。

そして今後のポイントはやはり、2014年1月28日~29日に行われる米国のFOMC(連邦公開市場委員会)です。今回はアルゼンチンのペソ安の急落がキッカケとなり経常赤字の新興国へその危機が波及した形ですが、その根本的な原因は米国の量的緩和策です。これまで米国の量的緩和政策によって発生した投資マネーが新興国に流入して経済や株価などを支えてきました。しかし、その量的緩和が縮小されることになったので新興国から資金が引き揚げられていることが今回のペソ急落の背景です。そして、これまでのパターンで言えば、欧州中央銀行や米国FRBは、市場が危機的な状況になると、多くのケースで救ってきたので、今回もそうなる可能性もあると思います。 仮に今回の危機を救うために量的緩和政策の縮小を一旦ストップするといったようなことが発表されれれば、短期的に株価は大きく跳ね上がることになります。

参考:日本株通信

※記載されている情報は、正確かつ信頼しうると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性または完全性を保証したものではありません。予告無く変更される場合があります。また、資産運用、投資はリスクを伴います。投資に関する最終判断は、御自身の責任でお願い申し上げます。

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