エリザベス女王も中国茶を楽しんだ伝統茶館
伝統的な町並みが美しいエリア(お店の建物ではありません)
漢字で書かれた「茶淵」の看板が目印
昔ながらの伝統的な家屋やショップハウスが立ち並ぶ、チャイナタウンエリアは、ぶらぶら散歩するだけでも楽しいもの。でも、せっかくシンガポールまで来たのですから、イギリスのエリザベス女王も来たと言う伝統茶館で、中国茶道「茶藝」を楽しんでみるのはいかがでしょうか? それがこの、シンガポールに残る、数少ない伝統茶館、「Tea Chapter (茶淵)」です。
こちらは韓国風のエリア
1階は様々な種類の中国茶が売られていて、好みを伝えると、ぴったりの茶葉を親切に選んでくれます。そして、すぐ横の細い階段を上がった2階が、茶館、つまり中国風のカフェになっているという作りです。エリザベス女王が楽しんだと言う中国風のエリアと、靴を脱いで上がるエリアに分かれます。のんびりしたい時には、靴を脱いで上がるエリアがお勧めです。 5シンガポールドル程度の席料がかかる席もありますので、座る時に確認してくださいね。
お茶の種類に合わせた茶器で淹れてもらえます
お勧めは、やはり、エリザベス女王が注文したのと同じ、御用黄金桂(25シンガポールドル)。手のひらにのるほどの大きさの、中国・江蘇省にある、宜興(イーシン)の茶器で淹れます。紫色がかった深みのある茶色が美しい、素焼きの器です。熱伝導がゆっくりで、烏龍茶系のこの茶葉の味を引き出してくれるのだそうです。担当の女性が、説明をしながら丁寧に1杯目を淹れてくれます。
丁寧に淹れてもらえます
次に出てくるのは、長細い筒のような器と、小型のお茶碗のような器。筒のようなものは、「聞香杯」と言って、香りを楽しむ為の物。そして、実際に飲む際には、普通のお茶碗の形の「飲杯」で楽しむのが、中国伝統の茶道「茶藝」なんだとか。まずは、お湯で茶器と杯を温めて行きます。そうしてしばらくしたら、今度は、お茶の葉を茶器の3分の1ほど入れて行きます。最初はさっとお湯を入れて、一回目は捨てます。捨てる時に、茶器にかけて温め、全体が暖まるようにしておきます。次にもう一度、お湯を注ぎ、待つ事30秒。
エリザベス女王も楽しんだ、本格中国茶のお味は?
お茶の甘い香りを堪能
空の杯から、ビックリするほど甘い香りが
ふんわりと、半発酵の茶葉の瑞々しい甘さのある香りが漂って来ます。まずは縦長の聞香杯へ。香りを十分楽しんだら、飲杯に移しますが、その後聞香杯を手の平でころころと転がしながら、冷まして行きます。そうして冷めた頃に、もう一度空の杯の香りをかぐと……! ビックリするほど甘みが増した香りが、わずか5cmほどの深さの杯の底から立ち上って来ます。こうして、温度によって変わる香りの移り変わりを楽しむのが、茶藝の妙味だそう。
点心は5シンガポールドルなど、お手頃価格
香りを楽しんだら、今度は味わい。口に含んで、2~3秒してから飲むのが、美味しさを楽しむコツだそう。一口頂くと、どこか上質なマンゴーのような、キンモクセイのような、甘みのある香りが漂い、何とも贅沢な味わい。きっと、これまで飲んでいた中国茶観を覆されるはず。こちらのお茶は、少なくとも5煎は楽しめるそうで、最初の2回はお湯を入れて30秒、3回目以降は、35秒、40秒と蒸らし時間を5秒づつ伸ばして行くのがポイントだそう。お店の方は、最初の1煎目を淹れ、2煎目以降の淹れ方をレクチャーしてくれた後は「ゆっくりしてくださいね」と言って席を離れるので、お喋りしたり、沢山の種類から選べるお菓子や点心をつまんだりと、マイペースにのんびりできます。
エリザベス女王が座った席でお茶を飲む事もできます
1990年代にはたくさんあったこう言った伝統的な茶館は、時代の流れで今ではほとんどなくなってしまった、とお店の方はおっしゃっていました。クラッシックな雰囲気の中、絶品の中国茶を楽しめる伝統茶館、ぜひ立ち寄ってみてくださいね! ちなみに英語ですが、大人や子ども向けの中国茶道教室等、様々なイベントも行っています。時間があれば、参加してみるのも楽しいかも知れませんね。
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■Tea Chapter (茶淵)
営業時間:日~木曜11:00~22:30、金曜・土曜・休前日11:00~23:00
住所:9 & 11 Neil Road, 088808
電話: +65 6226 1175
アクセス:MRTチャイナタウン駅から徒歩8分ほど