子育て

親元を離れ子供が暮らす「施設」の基礎知識(2ページ目)

「明日ママがいない」で話題になっている「グループホーム」。施設と聞いたら、「親と暮らしていない子供が生活している施設」そんなイメージでしょうか。実は施設にも色々な種類があります。今日は、子供たちが何かしらの事情で親元から離れて暮らすことになった時、入所できる施設をご紹介します

横山 知己

執筆者:横山 知己

子育てガイド

赤ちゃんを卒業したら…… 児童養護施設

芝生でかけっこ

ルールはあるけれど、自由にできることもたくさんあります。より家庭的に、お家に近い形でのケアを目指しています。

乳児院を出る年齢になると、次の施設は児童養護施設になります。対象年齢はおおむね1歳過ぎから18歳までですが、理由や条件が整えば、1歳から20歳まで入所することができます。入所要件は乳児院と同様です。

看護師に代わり児童指導員(福祉系の大学を卒業したスタッフ)と保育士が子供たちの生活全般をサポート。子供たちの心のケアのため、心理セラピストが配置されている施設もあります。子供に対してのスタッフの人数は、3歳未満の子供も2人に対しスタッフ1人、3歳~就学までの子供4人にスタッフ1人、小学生以上6人にスタッフ1人です。大人との親密な関わりが子供のケアには一番大事と考えられ、担当職員は決まっていることが多く、ローテーションで子供の生活全般をサポートします。

入所の理由によっては家庭との交流も可能で、学校の行事に参加してもらったり、週末の親との面会や外出・外泊が行われることもあります。いずれの場合も、最優先されるのは子供の気持ちと生活の安定です。

学校は児童養護施設のある学区の学校に登校します。放課後の過ごし方は施設によって様々ですが、おやつを食べ宿題を済ませてから自由時間というのが多いようです。スタッフを遊びに誘って外で元気いっぱい遊ぶ姿も見られます。施設は共同生活なためおおまかなタイムスケジュールが決まっていますが、その範囲の中なら外出も可能です。

テレビや映画などでは職員による児童への体罰やおしおき、心理的な暴力などが描かれることもありますが、虐待防止法の成立以降、いかなる体罰も許されていません。スタッフと子供との関係は生活を共にしているわけですから、学校の先生よりも密接です。スタッフは生活の細かな相談から、家族への想いや、将来のこと等、なんでも話せて信頼できる大人として寄り添います。

児童養護施設の平均入所期間は4.6年ですが、10年以上の在籍期間の児童が10.9%程います。家庭で自然と体験できることも、知らずに自立することも考えられるため、年に数回は遊園地やテーマパーク、レストランでの外食等、家庭でも行うようなことも体験できるよう色々な取り組みがなされています。

児童養護施設は、さらに規模に応じて色々な形があります。次のページでは児童養護施設の形と特徴についてお伝えします。
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