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介護福祉士試験対策~発達と老化の理解~

介護福祉士試験の出題範囲から「ここはおさえておきたい」というポイントをご紹介します。最新の試験情報も紹介しています!

小山 朝子

執筆者:小山 朝子

介護福祉士ガイド

試験科目「発達と老化の理解」の注目点とは

第32回介護福祉士国家試験

第32回介護福祉士国家試験が終了しました


第32回介護福祉士国家試験が終了しました。再チャレンジの方、もしくは次回以降で初めての受験を計画している方のために、同回の出題を振り返っておきましょう。

ここでは試験科目「発達と老化の理解」のなかから、ガイドが注目した問題をとりあげます。
 
高齢者の年齢規定に関する記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
 
1 高齢者等の雇用の安定等に関する法律では、高齢者を75歳以上としている。
2 「高齢者虐待防止法」では、高齢者を65歳以上としている。
3 高齢者の医療に関する法律では、後期高齢者を65歳以上としている。
4 道路交通法では、免許証の特例がある高齢者を60歳以上としている。
5 老人福祉法では、高齢者を55歳以上としている。
注)「高齢者虐待防止法」とは,「高齢者虐待の防止、高齢者の擁護者に対する支援等に関する法律」のことである。
 
正解はです。
 

「高齢者」と呼ぶに相応しい年齢とは

近年、「高齢者」を何歳とするかについて学会などで議論されています。国連が高齢者を65歳以上だとしたため、世界の多くの刻で高齢者は65歳以上と定義されていますが、医学的、生物学的に明確な根拠があるわけではありません。
 
日本老年学会と日本老年医学会では、従来の高齢者の定義が現状に合っていない状況が生じているという考えから、高齢者の定義を75歳以上に引き上げることを提言しました。その理由として、10~20年前と比べ、加齢に伴う身体的機能変化が5~10年ほど若返っていること、また社会一般においても65歳以上を高齢者とすることに否定的な意見が強くなっており、内閣府の調査でも70歳、もしくは75歳以上を高齢者と考える意見が多いことを挙げています。
 

第32回の試験の冒頭の問題は、このような最近の議論のながれをふまえたうえで出題されたことが推察されます。
 
こちらの記事でも書いているように、「参考書と向き合いながらの試験対策」はもちろん大事ですが、「介護福祉に関するニュースや最近の動向に関心をもつこと」もじつは試験対策として有効であるということは第32回の試験においてもあてはまっていました。
 

高齢になっても維持されるのは結晶性知能?流動性知能?

hear

高齢になるととくに高音域の聴力が低下する。

ここからは、老化に伴って生じる変化について学んでいきましょう。知能には結晶性知能と流動性知能があります。結晶性知能は経験や知識の豊かさと結びついている能力で高齢期になっても維持されます。一方、流動性知能は新しい環境に手適応する能力で、個人差はありますが老化とともに低下します。
 
さらに高齢者の身体的な特徴としては、免疫機能の低下(過去の試験で出題された内容)、皮膚の乾燥化、視覚は寒色や暗色が見えにくくなる、聴覚は高音域が聴こえにくくなります。
 
第32回の試験では老年期の記憶と注意機能に関する内容も出題されているのでこちらから出題された問題を確認しておきましょう。
 
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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