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2014年1月のオススメ展覧会・美術展(2ページ目)

日本全国の、2014年1月のオススメ展覧会・美術展を紹介。今月は国立西洋美術館(上野)の「国立西洋美術館×ポーラ美術館モネ、風景をみる眼―19世紀フランス風景画の革新」、IZU PHOTO MUSEUM(静岡県)の「増山たづ子 すべて写真になる日まで」、山種美術館(広尾)の「Kawaii 日本美術」、NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]の「オープン・スペース 2013」、新しく開館したアーツ前橋(群馬県)を紹介します。

浦島 茂世

執筆者:浦島 茂世

美術館ガイド


カワイイの元祖を探る!?
山種美術館(広尾):Kawaii 日本美術―若冲・栖鳳・松園から熊谷守一まで―

《藤袋草子絵巻》(部分)undefined16世紀(室町時代) 紙本・彩色 サントリー美術館 前後期で巻替あり

《藤袋草子絵巻》(部分) 16世紀(室町時代) 紙本・彩色
サントリー美術館 前後期で巻替あり

「かわいい」という概念は、それこそ枕草子でも言及されていたほど昔から日本人が大切にしてきた概念。小さいもの、幼いものはもちろんのこと、「え、それも!?そう言ってしまっていいの!?」と驚くようなグロテスクなものまでも「かわいい」の一言で片付けられてしまうことも増えてきました(でも、そういうものもよーく見てみると「かわいい」の要素がどこかに隠れているんですよね!)

この展覧会では、そんな「かわいい」をテーマにした作品が大集合。たとえば、上で紹介した『藤袋草子絵巻』は、愛らしいお猿さんが続々と登場しています。おじいさんたちが立派に育てていたお姫さまを、畑仕事を手伝った猿がさらったものの、これを救った狩人と娘が結ばれて幸福になるというお話なのですが、猿たちの、お姫さまを喜ばそうと一心で働きまくっている場面が、なんともいえずユーモラス。

室町時代からこんなに「かわいい」のですから、竹内栖鳳や上田松円、さらには熊谷守一や谷内六郎など近代、現代にいたる作品もかわいらしいものばかり。

また、後期には静岡県立美術館所蔵の銘品、伊藤若冲『樹花鳥獣図屏風』も展示されます。色鮮やかに動物が屏風のなかで踊る、升目描きと呼ばれる西洋のモザイク画に影響を受けたとされる逸品は、PCのモニタ越しよりも実際のほうがずっとずっと色鮮やかです。ぜひ一度実物をご覧ください!


■DATA 山種美術館(広尾):Kawaii 日本美術―若冲・栖鳳・松園から熊谷守一まで―について
展覧会名称:Kawaii 日本美術―若冲・栖鳳・松園から熊谷守一まで―
会場:山種美術館
会期:2014年1月3日(金)~3月2日(日)
開館時間:10:00-17:00
※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(ただし1月13日は開館、翌火曜日休館)
Web: http://www.yamatane-museum.jp/

次のページではIZU PHOTO MUSEUM(静岡県長泉町):増山たづ子 すべて写真になる日までを紹介します。
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