人気エリア・大須の南に伸びる仏壇通り
人気エリア・大須から南へ下るコース。にぎやかな大須の中心部を抜けて、門前町通りを南へ。この一帯は仏壇店がズラリと軒を連ねる“仏壇通り”。メインとなる門前町通だけでなく、裏通りへ入ってもそこかしこに仏壇店が見つかります。実は名古屋は全国有数の仏壇生産地。家康が尾張徳川家初代当主・義直と春姫の結婚祝いに木曽の山林をプレゼントし、その豊富な木材を使って木工、さらには仏壇作りが発達しました。このエリアの仏壇店は、そんな歴史的背景をもって伝統を築いてきたのです。【左上】大須交差点から南へ下ると仏壇店街が広がる 【右上】西本願寺名古屋別院から路地を抜けると現れる日置神社 【左下】住宅の間をぬって参道が延びる寺院が多い。写真は梅香院 【右下】橘公園は藩士の新刀の試し切りの場で、名古屋で初めて腑分け(人体解剖)が行われた場所でもあった
お寺や神社もいたるところに残っているのですが、特徴的なのは門までのアプローチが長い寺社が多いこと。昔は参道に露店も並んでいたのかも・・・と想像すると、江戸時代のにぎやかな光景が浮かんできます。境内を通り抜けできる寺社も多いので、抜け道を探しながら気の向くままに西へ東へ歩き回るのもいいでしょう。
キリシタンの博物館や鎌倉からの仏像が見ごたえある栄国寺
見ごたえがあったのが栄国寺。本堂横が「切支丹遺跡博物館」になっていて、木彫のザビエル像や踏み絵など、キリシタンゆかりの様々な資料が展示されています。お寺なのになぜ?と不思議に感じますが、尾張徳川家はキリシタンにも理解があり、幕府の命によってこの地で隠れキリシタンが処刑されたのを弔うために3代藩主・光友が建立したお寺なんです。【左上】栄国寺の厳かな山門 【左下】本堂横の「切支丹遺跡博物館」。入館料100円で本堂内の貴重な仏像も拝観できる 【右】平安~鎌倉期の木造丈六の阿弥陀如来像
信長ゆかりの城跡もある
真宗大谷派別院最大の東別院
もともとは織田家の居城・古渡城があった。信長はここで元服している
真宗大谷派の別院としては全国最大というだけあって、広々とした平地に大規模な本堂や山門が配置され開放感はいっぱい。毎月12日には露店が立ち並ぶ縁日も開かれます。
元禄三年(1690)、尾張徳川家2代藩主・光友により大谷派本願寺に寄進され築かれた東別院。本堂は文政5年(1822)再建されたもので高さ36mは名古屋城下随一を誇った
『幕末の名古屋城下図集』より。薄く見えるラインが現在の道路。大須の中心部から仏壇通りを抜け、寺社仏閣を巡りながら地下鉄・東別院まで歩く