子育てのブーム
おじいちゃんやおばあちゃんの子育てってどんな感じだったか知っていますか?
例えば「抱き癖」を例に挙げ、少し歴史をさかのぼってお話してみましょう。
もともと日本は農業が中心で、小さい子はママがおぶって育てていました。その子育てスタイルは、戦後アメリカからの流れが入ってきて、日本の子育て事情には大きな変化が訪れます。戦争中は男性は戦いに行き、戦後は働き手の男性がいないことから、女性は働くことを余儀なくされました。働き方も農業から工場のライン等へかわってゆき、赤ちゃんに合わせて働くスタイルから、働き方に合わせて赤ちゃんを育てることに移行していきました。
女性が働くために、ミルクは栄養価が高いというふれこみと共に、母乳からミルクへの変更が勧められました。また泣いてもすぐには抱っこしない、そうすることで子どもの自立を促すことができると言われ、「抱かない育児法」が推奨されました。
時は流れて現代になっても、おおむね60代以降の人たちにとっては自然とその育児法は体にしみついていて、「とっても良いこと」と信じているため、赤ちゃんが泣いてすぐに抱っこすると「抱き癖がつくわよ」と言うわけです。
おじいちゃんおばあちゃん世代は、悪気は全くなく、良かれと思って言うこと。でもこのままお互いの時代の育児の流れを理解しあわないまま、子どもがイヤイヤ期を迎えたとしたら、「寄り添ってばかりいるから、我がままになった」「時には叩いて体で覚えさせなきゃいけない」という価値観を押し付けらることも容易に想像できます。また物がなかった時代に育った方たちだからこそ、孫にはおもちゃやお菓子を買ってあげたいと、パパやママの希望とは違うものを子どもに与えられて困ってしまうということもあるでしょう。これでは、パパママとの溝はますます深まり、不快な思いだけをしてしまう……、おじいちゃんおばあちゃんの想いも報われず、良いことなしになってしまいます。
それではこんなおじいちゃんおばあちゃんと、どのように上手くやっていけば良いのでしょうか?