世界が熱狂した、クリスチャン・ルブタン演出のショー「ファイア」。
映画『ファイアbyルブタン』。12月21日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ他 全国順次公開。(C) Antoine Poupel
「世界中の女性を虜にするシューズと言えば?」。そう尋ねられて、真っ先に挙げられるのが、「Christian Louboutin(クリスチャン・ルブタン)」のシューズでしょう。クリスチャン・ルブタンの靴と言えば、深紅に染められた靴底、通称「レッド・ソール」が有名です。これはデザイナーのクリスチャン ルブタンが、初めて出来上がったプロトタイプの靴を、イタリアの工場でチェックしていたときに偶然生まれたもの。指示通り仕上がっていたのですが、どこか彼が想像していたものと違っていたのです。それは、ソールに色が入っていなかった点。そんなとき、靴を試そうと隣にいた女性が赤いマニキュアを塗っていました。彼はそのマニキュアを女性から借りるや否や、ソールにひたすら塗ったのです。出来上がりを見ると、ようやくイメージ通りに。こうしてレッドソールが誕生しました。
映画『ファイアbyルブタン』。12月21日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ他 全国順次公開。(C) Antoine Poupel
この度、多くの女性の憧れであるクリスチャン・ルブタンの世界感を余すことなく堪能できる映画『ファイアbyルブタン』が、12月21日(土)から全国で順次公開されます。
パリのシャンゼリゼ通りの近く、ジョルジュ・サンク。夜になると、世界各国から噂を聞きつけた人々が、続々と吸い込まれていくスポットがあります。1951年に創立されて以来半世紀以上もの間、パリカルチャーの中心に君臨し、ついに入場者数が600万人を超えた「クレイジーホース」です。ムーラン・ルージュやリドと並ぶナイトショーとして幕を開けましたが、現在では他とは一線を画す革新的な芸術作品を生み出し、女性からも熱狂的な支持を得る、世界にただひとつのエンタテインメントの殿堂となっています。ステージが幕を開けた瞬間、観客から驚嘆のため息を奪うのは、ダンサーたちの徹底したプロ意識によって磨き上げられた完璧な肉体。その黄金比から繰り出されるエレガントかつダイナミック、時にアクロバティックなパフォーマンスに、計算されつくした緻密な音響とライティングによる、音と光のアートが官能的に溶け合っていきます──。
映画『ファイアbyルブタン』。12月21日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ他 全国順次公開。(C) Antoine Poupel
アートとは変化し続けることだと発信してきたクレイジーホースは、2012年に史上初のゲスト・アーティストを招きました。シューズデザイナーのクリスチャン ルブタンです。クレイジーホースのダンサーたちの美しさにインスパイアされて、ハイヒールのデザインを始めたというルブタンにとって、そこはまさに自らの原点。自身のブランドが、ちょうど設立20周年を迎えようとしていたこともあり、彼にとって宿命のプロジェクトとなりました。ルブタンたっての希望で、鬼才デイヴィッド・リンチが音楽を手掛けることに。こうして、21世紀のモダンカルチャーの頂点が溶け合って、ショー「ファイア」が誕生。女性の美の完成形が、エンタテインメントの歴史に華やかに刻まれました。日本では決して叶わなかった至高の体験を、映画『ファイアbyルブタン』で思う存分堪能してください。
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